日本帰国と修士号取得(の見込み)

 10月末にブリュッセルから日本に帰国して二週間が経過した。ほぼ一年半ぶりの帰国である。短期の滞在を除けば、ほぼ3年振りの日本である。帰国万歳。

 そんな中、先日、スウェーデンのウプサラ大学から修士論文が受理され、ついに修士号が取得できるとの連絡があった。ここまで長い道のりであった。そもそも修士課程は2010年夏から2012年の夏で終わるはずだったが、最後の論文の内容も中途半端だったし、何よりももう少し欧州に滞在していたいという気持ちがあったので、あえて論文を提出せずにスウェーデンの滞在許可を伸ばしてもらったのだ。そうしたらラッキーなことに、欧州議会でのインターンが決まった。ただ、欧州議会でのインターン中は仕事や飲み会パーティーで忙しくなり、論文の作業が進まなかった。そうこうしているうちに議会のインターンの期間は終わり、就職活動とともに論文作業をすることとなったが、仕事は見つからず、論文も進まずという最悪のパターンに!

 でも、現地で日本人の経営する調査コンサル会社でインターンをさせてもらえることになり、よっしゃと気合いを入れてインターンと論文作業を同時並行していたが、なんと、5月末に提出した修士論文は受理されず、修正を言い渡された(ウプサラの論文審査を甘くみていた)。改めてリサーチクエスチョンと仮説をより簡潔なものに変更した上で、今年の夏はずっとその改訂作業を行なっていた。インターンの合間を縫って平日の深夜と週末にひたすら仮説と分析結果の整合性をつけるように一歩後ろに戻っては二歩前進を繰り返していた。9月末に再提出したときもギリギリで何とか間に合ったという感じだった。これで失敗したら修士号がもらえなくなると内心ガクブルしていたが、結果オーライで助かった。回り道はしたが、頑張れば何とかなるものである。万歳。

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4.日本とEUのEPA交渉の焦点は鉄道セクター:ありうるシナリオ

これまで123の投稿において、EUの主張する日本の鉄道セクターの調達市場における閉鎖性については誇張があり、必ずしも日本がEUに対して閉鎖的とはいえない、と書いた。それにも関わらず、日本側の“非関税障壁”ばかりが焦点になることにはEUの業界団体のロビーイングの影響力や日本政府および鉄道業界団体のPR不足があるとも指摘した。

もちろん、日本政府にはEU側の電化製品や自動車に対する輸入関税を引き下げるという目的があり、それを達成するにはEU側の鉄道セクターを含む政府公共調達分野などで譲歩しなければならない、という事情がある。あえて好意的な見方をすれば、外務省や経産省は、EUとのEPAを締結するため、EUの産業界に対してあえて反論をしてこなかったともいえる。

いずれにしても、今後の鉄道を交渉課題は、日本はどこまで譲歩するべきなのか、どこで妥協ができるかを見極めることである。以下は鉄道セクターの公共調達に特化しながら、いくつかのありうるシナリオについて考えたい。

シナリオ1:鉄道セクターに競争入札の原則を入れずに現状維持

鉄道市場の開放せずに現状維持というのは、日本の鉄道会社にとっては最適な選択肢であるが、実現可能性は低いだろう。いくら理不尽な要求だとしても、交渉事である限り、どこかで譲歩する必要がある。仮に他の分野で大幅な譲歩があったとしても(ex 自動車における軽自動車の優遇措置の緩和、技術要件の相互認証、日本の農業製品の関税引き下げ)、鉄道の公共調達でも一定程度の譲歩は必要になる。すでに日本政府は、欧州委員会に対して、日本の鉄道および都市内交通市場を開放するために「効果的な措置を取る」と約束している上(JETROのレポート)、EUの閣僚理事会(上院)でも欧州議会(下院)でも同分野での譲歩はEPA締結の重要な条件とされている。もしも日本側から鉄道における譲歩がなければ、EPAの締結自体に支障をきたすことになる。

シナリオ2:EUの要望通りに公共調達の競争入札を確保

シナリオ2はEU側の要望をそのまま実現することを意味するが、日本の鉄道会社にとってはあまり好ましいものではない。先の投稿でも述べたように、競争入札を確保するためには、書類の英文化はもちろん、契約書の仕様や条件内容も事細かく準備する必要が出てくるため、事務的な作業が増える。また、日本の場合、鉄道会社と鉄道車両メーカーの「共同開発」に近いやり方の変更を迫られる可能性もある。日本の主要鉄道会社は子会社に車両メーカーを抱えていることもあり、単なる事務作業の増加に留まらない悪影響を及ぼすことも考えられる。

一方で、川崎重工や日立、東芝などの鉄道車両や部品などを製造するグローバル企業は海外への輸出拡大を図っていることもあり、日本の市場開放を好意的に受け入れるかもしれない。日本における鉄道の公共調達市場で競争入札が確保されれば、相互主義の原則により、現在、制限されている日本企業によるEUの鉄道市場へのアクセスを認めなければならなくなる。そうなれば、これまでビッグスリー(シーメンス、アルストム、ボンバルディア)に支配されていた欧州鉄道市場に日本企業がより進出できることになる。

ただし、このシナリオ2の実現性も微妙だ。現在、日本の鉄道メーカーはEUメーカーにとっての唯一の本格的な競合相手である。日本企業がEU市場への本格参戦してくると既存のシェアを奪われるため、日本の鉄道市場の完全な開放までは求めないとの見方がある。

実際、2009年に日立がイギリスの都市間高速鉄道計画(Intercity Express Programme)を受注したときは、欧州のビッグスリーに大きな衝撃が走った。しかも、日立が地元に雇用を創出していること、きちんと期限に合わせて開発車両を納入したこと、その後、2013年にも追加受注を受けたことで、日立の評価は急上昇しており、欧州では日本企業の参入を認めてはヤバいという雰囲気が生まれている。UNIFEはこれ以降、日本の鉄道は外資に閉じているにもかかわらず、EUの市場に食い込んでいるとして激しい批判を展開している( プレスリリース)。

なお、現在、(EUの考える)相互主義の原則の下で、EUにおける日本の鉄道メーカーの入札は原則として制限されているが、実際に入札を認めるかどうかは加盟国や担当官庁が自由に決定できる。前の投稿でも書いたように、EUの鉄道事業者の中には、ビッグスリーの支配によって欧州内の競争環境が制限されている状況を好ましくないと考え、イギリスのように日本の鉄道メーカーの参入を求めているところもある(追記:スウェーデン政府および鉄道会社(SJ)も最近鉄道分野、特に高速鉄道で日本に関心を持っており、日本からの派遣団を招いて意見交換を行なっている。今後は共同の行動計画を作成するという。スウェーデン政府の10月7日のプレスリリース)。

こうした背景を勘案すると、日本鉄道メーカーとのガチンコ対決を避けるため、EUの鉄道メーカーは完全なる競争入札の実現までは求めない可能性もある。むしろ、彼らが声高に日本を批判する裏には、日本の市場開放を目的としているわけでなく、EUの加盟国や鉄道事業者に対し、日本の企業に落札させないための牽制球を投げているとの見方もある。正直、彼らの本心は実際に聞かないと分からない。しかしながら、日立はすでにイギリスに工場と雇用を持っているため、日本が市場を開放しようがしまいが、原則として「欧州の企業」としてEU内の入札に参加できるようになり、今後、イギリスを拠点にして欧州大陸にも進出していくこととなる。そうなると、欧州鉄道市場にはすでに”日本からの”参入できる通路”が出来ているため、欧州鉄道メーカーとしてはやはり日本の鉄道市場へのアクセスを求めると考えられる。

シナリオ3:部分的に鉄道調達の入札アクセスを認める

日欧の鉄道の利害関係者のそれぞれの利益や思惑が複雑に絡み合っていることを考えると、シナリオ1や2のようにすっきりした形にはならない。むしろ、最もありえるシナリオは、シナリオ1とシナリオ2の妥協案だろう。

既述した通り、すでに日本政府は、欧州委員会に対して日本の鉄道および都市内交通市場を開放するために「効果的な措置を取る」と約束している。また、JR東日本も意識的かどうかわからないが、EUの鉄道メーカーからの無線制御システム(CBTC)の購入を決めている(JR東日本のプレスリリース)。

特にEUに対する効果的な譲歩としてありうるのは、こうしたICT関連のインフラ管理技術および欧州規格の受け入れである。EUは欧州域内で相互運用性を確保した欧州列車制御システム(ERTMS)の開発および普及に力を入れており、こうした欧州規格の国際市場での普及を狙っている(追記:実際に列車制御システムの分野ではEUは日本より先行しているとされる)。ERTMSに沿った鉄道通信技術が国際規格になれば、その他の新興国市場にも輸出の裾野が広がり、EUの企業にとってもメリットになる。こうした点について、欧州議会の域内市場委員会議長を務め、欧州鉄道連盟の会員でもあるMALCOM HARBER議員(英)は、相互主義という曖昧な概念を盾に市場開放を迫ることは政治的に間違ったサインを与えかねないとして反対を示した上、むしろ、EPA交渉においては(主に欧州の)鉄道の規格標準化を進めることの重要性を強調している(欧州鉄道連盟の会議議事録

鉄道の規格に関しては、ERTMSに沿った無線通信システムの他にも、車輪、線路、認証プロセス、防火安全装置などがある。こうした項目のいくつかの規格を取り入れたり、日本の規格との相互承認を進めていけば、EU側への”目に見える譲歩”にはなるだろう。また、EUと協調して鉄道に関わる国際標準化を進めていけば、今後、更に大きな競合相手になりうる中国などの新興国との競争にも有利になるという点で、日本にとっても悪い話ではない。

まとめ

これまで四回にわたって日欧EPAの焦点の一つである鉄道の公共調達市場を巡る動きについてまとめてきた。やや欧州の鉄道メーカーに対して批判的なことも書いたが、それはやはり公共事業として成り立っている欧州の鉄道と完全に民営化モデルで運営している(しようとしている)日本の鉄道システムを比較して「公平な土俵」を要求すること自体に違和感を持ったからだ。

もちろん、文句ばかりいっていても仕方ない。EUは(今はまだ)世界で最も大きな市場を持っており、米国とともに国際標準を設定するだけのパワーがある。相対的に小さな日本がEUとの自由貿易協定で自分たちの本当に欲しいもの(議論の余地あり?)を取るためには理不尽な要求であっても譲歩するところは譲歩しなければならない。

また、鉄道市場の外国メーカーに対する門戸開放が、日本の国益にとってマイナスかどうかは分からない。日本の国内市場をより国際的競争環境にさらすことで、逆に、日本の鉄道会社や鉄道メーカーが輸出競争力を高めることができるかもしれない。特に現代は製造業2.0といわれるように、従来の「ものづくり」に加えて、車両や通信機器のメンテナンスやアフターケアなどのサービスを付加価値として提供していくことが求められる。これまで事故があったら駆けつけるという「阿吽の呼吸」でビジネスを行ってきた国内の鉄道会社と鉄道メーカーは、もっとサービス分野におけるお金の分捕り方を学んでいかないといけない。そういう意味では、グローバル競争に勝つためにまず日本をグローバル化させるということはたしかに理にかなっている。

ただし、日系の企業(あるいは欧米企業)がグローバル競争に勝ち続けたとしても、そのことが日本人(欧米人)の福祉の向上に繋がるかどうかは分からない。自由貿易体制を進めれば進めるほど、より力の持つグローバル企業がロビーイングを通じて我田引水に国際規格(標準)を定め、市場アクセスを要求し、世界の市場シェアを奪っていく。その結果、これから生まれて来るはずだった良いサービスの芽を潰し、自由競争を阻害してしまうことも考えられる。かといって、世界貿易から目を背けて日本だけで自立的に生きていける世界ではない。グローバル化の時代にあって、日本の鉄道市場をより国際的な競争に開いた上で、日本の良い特殊性を維持するというバランスの取れた舵取りは非常に難しくなっている。今回のEPA交渉でも、そうした白黒とつかない難しさを引き受けた上でどのように決断していくかが問われている。

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3.日欧EPA交渉の焦点は鉄道セクター:日欧の鉄道システムの違い

の投稿で、EU側は、入札アクセスの機会が少ないという点(法的開放性)で、日本の政府調達における鉄道市場の閉鎖性を批判しているが、実は、外国製品の輸入の金額割合(実質開放性)では日本よりもEUの方がむしろ閉鎖的だということを指摘した。自由貿易交渉という外交戦を戦う上で日本側の弱点は、こうしたEU側の市場開放性の問題は日本人やEUの人にも認識されていないわりに、日本側の”非関税障壁”ばかりが問題として扱われている点である(そもそも、こうした”非関税障壁”という言葉が日本に対して使われている時点でPR的には負けている)。

EUは、日本の鉄道市場に対して”バイアスの入った”見方を持っており、世界中で批判を展開している。これには次の三つの要因があると思われる。1)欧州の主要な鉄道メーカーの世界市場におけるシェアの高さと、日本での海外勢のシェアの低さから生まれる違和感、2)EUの鉄道業界団体のロビーイングとプロパガンダ、3)日本側の説明不足およびPRの弱さ。

1):世界市場を支配するEUという自画像

経産省の委託報告書「欧州連合との経済連携促進のための制度分析調査」によると、世界鉄道車両市場のシェアの50%以上は、Alstom(仏)、Siemens(独)、Bombardia(カナダの企業だが、鉄道部門の本社は独のベルリン)の三社によって支配されている。最近では中国の鉄道メーカーの台頭が目覚ましいが、それでも欧州のビッグスリーが常に上位にいることには変わらない。また、同報告書内の最近のデータ(下記グラフ)によると、日本メーカーでは川崎重工だけが上位10社に食い込んでいるが、受注額はALSTOMの半分以下、最上位のBombardiaの4分の1だ。世界市場を支配する欧州鉄道メーカーからすれば、日本市場における海外勢のシェアの低さは、日本の鉄道メーカーの競争力の高さではなく、むしろ、外資に対する市場の閉鎖性の現れと見られている。

鉄道車両メーカーの上位10社

なお、EUの加盟国市場では、こうしたビッグスリーに加えて、自国メーカーが鉄道市場で高いシェアを誇っている(下記グラフ)。同報告書は、どの国の鉄道市場も自国メーカーを優先する傾向はあるとしながら、「逆に見れば、各国とも鉄道調達市場の何割かは他国メーカーがシェアを持っていることになる」として、「EU側からみれば、何割かは外国メーカーのシェアがある加盟国各国市場に比べ、事実上国内メーカー以外からの調達が閉ざされた状態にある日本の鉄道調達市場が閉鎖的と映るのは避けられない」と指摘している。

主要国の鉄道車両メーカーシェア(国別)

つまり、欧州市場では自国メーカー以外もそれなりにシェアを獲得しているのに対し、日本の鉄道車両市場はほとんど国内メーカーのみで支配されているため、日本の市場は閉鎖的だと論理展開である。こうした批判は直観的に理解できるが、逆に、EUを単一市場と見た場合には、日本の鉄道市場が国内メーカーに支配されているのと同様に、EUの市場も欧州メーカーによって牛耳られていることに変わりはない。さらに、JETROが毎年発表しているレポート「Japan’s Market is Open to the World」によると、鉄道関連の物品(車両・メンテ・電子部品)では、日本はEUに対して貿易赤字を記録している。むしろ、閉鎖されているはずの日本市場へのEUの輸出額の方が大きいのである(※ただし、欧州委員会の鉄道競争力レポートが指摘するように、鉄道関連物品の分類によっては日本のEUへの輸出額の方が大きい場合もある)。

Railway Products Trade Balance Between EU and Japan

2):業界団体のロビーイングとプロパガンダ

EUの政策決定過程におけるロビーイングの役割は見逃せない。EUや米国では、ロビーイングは民主的な政策決定のプロセスの一環とされ、企業や業界団体、NGOなどの市民団体とのコンサルテーションの場がある。本来の目的は多様なアクターの声を吸い上げることであるが、実際は企業や業界団体の政策決定における影響力が大きいため、経済力によって政策決定が歪められるという問題がある。EUにおけるロビーイングの対象は、欧州官僚、加盟国政府の政治家および欧州議員である。欧州官僚への口利きもないわけではないが、特に選挙で選ばれている政治家は、業界団体や労働組合からの要望を受け入れやすい。なお、ここ何十年で欧州議会の政策決定における権限が増加しているため、欧州議員に対するロビーイング活動は増えている。

欧州の鉄道メーカーで最も影響力を持つ業界団体は、欧州鉄道メーカーのビックスリーが加盟している欧州鉄道産業連合(UNIFE)だ。2011年には、UNIFEが後ろ盾となり、欧州議員とのコミュニケーション強化を目的として、鉄道議員連盟(Rail Forum Europe)を立ち上げた。主に交通政策に関わる欧州議員(フルメンバーは21人)を対象に、2カ月に1回のペースでセミナーを開催し鉄道業界団体の要望を伝えている。2013年7月9日に開かれた「対日FTAおよび対米FTAにおける鉄道業界の利益」と題したセミナーでは、UNIFEは、EUの企業がいかに日米市場から不当に閉め出されているかをプロパガンダした上、日本やアメリカの鉄道市場に食い込むためにFTA交渉をどのように活用するべきかを力説している。なお、UNIFEやALSTOMは今年だけで3度も欧州議会でプレゼンを行っている(プレゼンの参考資料)。

このようなロビーイングを通じて、業界団体の言い分をそのまま信じる政治家もいるが、大半の政治家はそれをあくまでプロパガンダと分かった上で、自国の業界団体の利益や自分の選挙での再選のために仕方なく受け入れていく。

3)日本側の発信とPRの弱さ

日本の鉄道市場が閉鎖的との批判は、上記の2要因だけでなく、日本側の説明およびPRの不足から側も生まれている。日本側の発信が足りず、EU側の主張に対して反論がなければ、EU側の鉄道業界の言い分だけが広がることになる。例えば、日本の自動車業界は、欧州内に工場と雇用を持っていることもあり、ロビーイングやPR対策を行なっているが、日本の鉄道業界については反論する人がいないので、不当な批判を受けてもそれが事実として認識されてしまう。

特に日本の鉄道システムは欧米とは異なるため、十分な説明とPRが欠かせない。

まず前提として、日本の主要鉄道会社は世界でも利益を上げている希有な存在である。そもそもEUの政策決定者にも、日本の主要な鉄道会社が民営化されて利益を上げていることなどほとんど知られていないだろう。欧州においては、鉄道会社は、補助金によって運営される公共事業との認識が強い(EU内では毎年460億の補助金をもらってもなお赤字を垂れ流している。欧州議会の鉄道自由化に関するレポート)。しかも鉄道は時間通り来ない上、補修工事はいつまで経っても終わらない。加えて、EUで民営化と鉄道自由化(インフラ事業者と運行事業者の上下分離化)が最も進んでいるのはイギリスとスウェーデンであるが、こうした二カ国でも補助金を受けつつ民間的な経営するという「官民共同モデル」を採用している。完全なる民間モデルで利益を上げている日本の主要な鉄道会社とは異なっている。EUが日本の鉄道会社に対して競争入札を行なうよう圧力を掛けてくるのもこうした認識の違いが背景にあるだろう。(ただし、日本でも地方の鉄道会社は採算が合わず苦境に立たされているという点では欧州の鉄道会社と似ている)。

また、前述の経産省の委託報告書は、日本は、JRなど鉄道会社が数多の鉄道メーカーを選ぶことができる「買い手市場」であるが、EUは、鉄道車両メーカーが鉄道会社に対して強い立場にある「売り手市場」であると指摘している。また、欧州議会の鉄道自由化に関するレポートでも、「EUの鉄道の公共調達システムは、鉄道会社に対して入札アクセスの確保を定めているが、実際に入札に参加する企業の数は限られているため、競争的な環境が確保されていない」と指摘している。このことは、EUの車両メーカーでは、Bombardia、Siemens、Alstomのビッグスリーが圧倒的に強く、高速鉄道車両に関しては事実上三社しか選択肢がないため、商品価格の釣り上げも行なわれやすいことを示している。EUの鉄道会社は、入札価格を下げるため、日本の鉄道メーカーに入札に参加するように頼みにくることもあるという。

それに加え、EUと日本では、鉄道車両の開発、仕様書や契約条件、認証プロセスのやり方についても大きな違いがある。日本では鉄道会社と鉄道車両メーカーが共同して開発を行うような形を持っているが、EUでは、ユーザー側の要求仕様に基づいてメーカーが開発を行なう。またEUでは国境を越えて相互に乗り入れが進んでいるため、契約内容にメーカーに責任を負わせる傾向があり、当然、仕様書や契約書の中身も膨大になる。それに対して日本では共同開発に近いためこと細かい仕様書を提示する必要はなく、仮に故障が起こればメーカーがとりあえず「駆けつける」ことが当たり前になっている。最後に、EUでは、国境をまたいでいるため、開発した車両を「全編成」を持ち込んで第三者認証期間でテストしなければならず、膨大なコストがかかるという。日本では、一両編成の車両などを線路で走らせるという形で済むという。最終的には、日本の車両生産の納期が約1年と短いのに対して、EUのメーカーは約3年〜4年掛かるという。

(EPA交渉における鉄道を巡る動きについては4に続く)

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2.日本-EUのEPA交渉の焦点は鉄道セクター:EUの市場開放度は本当に高いのか?

先の投稿(1)で、10月21日から予定されている第三回の日本-EUのEPA締結交渉では、EUが非関税障壁と批判する「日本の政府調達市場(特に鉄道セクター)」が焦点の一つになると書いた。EUは、政府調達においては世界で最も開かれた市場であることを喧伝し、第三国の政府調達の門戸開放運動を積極的に展開している(特に中国などの新興国や日本や米国の鉄道市場)。日本の非関税障壁の撤廃がEPA締結の条件になっていることもあり、今回の交渉ラウンドではEU側は強気で出てくると思われる。

こうしたEUの主張に対して日本は、日本の政府公共調達市場は特段閉鎖的なわけではないとした上で、むしろ、EU側の開かれた政府調達市場という主張こそ誇張されていると批判している。以下では、EU市場の開放度に関するEU内外からの批判的な見方を紹介したい。

EUは、政府調達をGDP全体の15-20%を占める重要な分野と認識し、グリーン調達を含めて新しい成長戦略の一環として位置付けている。しかし、第三国の政府調達市場はEUほどに開かれておらず、EU企業が不当な競争環境に置かれていると主張している。EUのこうした言い分は、WTOの政府調達協定(Government Procurement Agreement:GPA)のコミットメントの割合(政府調達市場において入札機会の保障されている項目の金額割合)を指標としている。これによると、EUはGPAの約85%の項目でコミットメントがあるが、アメリカは32%、日本は28%に過ぎない(下記の報告書参照)。

GPAのコミットメント

しかし、EUの市場開放度が他国よりも高いと根拠にしているGPAのコミットメントの割合は、指標として問題があると指摘されている。こうした批判は、EU加盟国からも欧州議会の調査局からも出ている。2013年6月18日の国際貿易委員会の質疑に提出された外部調査報告書は、主に以下の問題点を指摘した上、EUの公共調達市場が他国よりも開放されていると言い切るのは誇大広告であり、適切ではないと結論づけている。

  • 欧州委員会は、インパクト評価において、EUはGPAの約85%の項目でコミットメントを締結しているが、アメリカは32%、日本は28%に過ぎないと指摘したが、2012年のGPA改訂に伴うコミットメントの変更を反映していない。
  • また、こうした法的開放度(GPAのコミットメント)だけを指標とするのは適切ではない。たとえ、コミットメントしていたとしても、商慣行や文化の違いによって自国の事業者が有利な立場にいることには変わりはない。 また、たとえ、コミットメントしていない分野でも第三国から受注を受けることはできる。法的枠組みだけで見ると、これらの数字は反映されない。
  • 実際、GPAのコミットメントではなく、市場占有率(公共調達市場における外国の事業者の受注金額割合)で見た場合、EUの市場開放度は、中国、韓国よりも低くなり、日本とはほとんど変わらない。むしろ、フランスとドイツ(EU2)の平均受注金額の割合をみると、日本の政府公共調達の方が開かれているともいえる。

GPAのマーケットペネトレーション

また、EUは、こうした認識に基づき、「第三国のEU市場へのアクセスに関する規制」の制定を進めている。同法案は、EUの第三国の公共調達市場へのアクセス向上を目的に、第三国がEUとの相互主義の原則を満たしていない場合には、第三国の事業者のEU市場へのアクセスを制限し報復措置を取る、としている。

しかしながら、上記で見たように、そもそも貿易相手国の公共調達市場の開放度がEUの想定よりもすでに高いとすれば、たとえ第三国のGPAのコミットメントの割合が増えたとしても、EUの企業による受注拡大の効果は高くない。むしろ、こうした規制案はEU側の保護主義的な政策として認識され、逆に中国など新興国からの報復措置を招き、貿易戦争に発展する危険すらある。

実際、6月17日の国際貿易委員会で、同法案のラポーターを務めるDaniel CASPRAY議員(EPP、ドイツ)は、「欧州委員会のインパクト評価にこれほど問題があるとは思わず、驚きを隠せない。同提案を取り下げることは考えていないが、調査報告書の内容を精査した後、改めて修正案の調整を行う」とコメント。その他にもシャドウラポーターのEmma MACLARKIN議員(ECR, イギリス)は「EUの公共調達市場の開放度が他国と比べて高くないとすれば、(第三国に対する報復措置を含んだ)規制法案を制定する必要があるのか? 他のラポータ-および欧州委員会と相談して今後の対応を決めなければならない」と述べている。(参考:委員会審議のビデオ)。

こうした事実関係を抑えた上で、日本-EUのEPA交渉の動向をみると、日本側の「EUは自分の脛の傷には目をつぶり、日本の非関税障壁ばかりを攻撃している」という批判には一定の合理性があるだろう。

今後、日本側が交渉の中でどういうアプローチを取るのかに注目される。そもそも、日本の交渉立場は一枚岩ではなく、省庁間でバラつきがある。国土交通省はJRなどの鉄道業界とともに日本型の鉄道システムを守りたいとの立場だが、経産省や外務省はより鉄道という日本の強みのある市場を開放していくことで輸出競争力を強化したいとの姿勢を見せている。また、国内で発言力のある自動車業界のEPAの締結に向けた圧力もあるだろう。こうした政治力学的な観点から見ると、国交省や鉄道業界の言い分にも理があったとしても、FTAの締結を最優先とする経産省/外務省が、鉄道市場の開放を押し通すというシナリオが有力に思える。

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1.日本ーEUの自由貿易協定交渉の焦点は鉄道セクター

 、世間ではTPPの交渉に注目が集まっているが、日本はEUとも大規模な自由貿易協定(FTA/EPA)の締結交渉を進めていることを忘れてはいけない。これまですでに二回の交渉が行われており、今月21日から始まる第三回交渉では、EUが日本の“非関税障壁(Non-Tariff Barriers)”として攻撃している「政府公共調達(特に鉄道セクター)」などが主な論点となるとみられている。

 日本政府は、安全性の確保という理由で鉄道セクターを、WTOの政府調協定(Government Procurement Agreement)の対象から除外する措置を取ってきた。もちろん、JRを含めて多くの日本の鉄道運営事業者は民間経営だが、WTOの協定では未だに公共事業者とみなされており、EUが長期に渡って門戸開放の要求を行っていた。こうした背景から、EUがEPAの交渉開始の際に付けた条件が日本の非関税障壁、特に鉄道の公共調達市場の開放であった。もしも日本がこの分野で十分な譲歩の姿勢を見せなければ、EU側に日本は非関税障壁をなくすつもりはない」と受け取られる可能性もある。

 今、EUからの自動車/商用車およびテレビに対する関税(それぞれ0%、0%)はすでになくなっているが、日本からEUへの主要な輸出品に対する関税(自動車10%、商用車10%-22%、電化製品14%)にはまだ削減の余地が残っている。日本の輸出企業はこうした高い関税を引き下げたいとの思惑があるが、EU側からすれば、日本の“競争力のある”自動車製品の流入”によってEU側だけが損をすることになるため、特にフランスやイタリア、ドイツなどの製造業団体(特に自動車業界)は断固として反対している。

 こうした断固反対を唱えるEUの業界団体を説得して交渉を始める際に付けた条件が、日本の非関税障壁の撤廃である。日本はEUの関税水準が下がることでメリットが得られるし、EUも日本側の非関税障壁が撤廃されればメリットが出てくる、両者ともにWin-Winになるので交渉を始めよう、という論理である。確かに日本ばかりが関税以外のシステムを変更させられるのは頭に来るが、何かを得るためには、何かを差し出さなければならないのは交渉の常である。すでに日本の非関税障壁の撤廃は、EPAの締結の前提条件となっているため、必ずどこかの分野で妥協と譲歩をしなければならない。そこで分かりやすく譲歩しやすい対象として上げられたのが鉄道セクターというわけだ。
 
 もちろん、自動車の非関税障壁(軽自動車優遇措置や技術要件や認証手続きの見直し)なども大きなトピックだが、日本が譲歩をしているという姿勢を見せるためには鉄道セクターほど分かりやすい例はない。

 実際、欧州議会の国際貿易委員会の議員は日本の鉄道セクターを含む公共調達市場の障壁の撤廃を強く求めている。

欧州議会の国際貿易委員会の議長を務めるVital MOREIRA:(引用

 「日本とEUの経済貿易関係はまだ未成熟でありポテンシャルがある。日本には非関税障壁があるが、公共調達市場がこうした障壁のなかで現在最も大きなものである。日欧EPAは、これらの非関税障壁を取り除く最も効果的かつ唯一の手段である」。

 同委員会に所属している有力議員のDaniel CASPARY:(引用

 「(我々は日欧EPAの締結を望んでいる)。しかし、日本側が市場開放に対する消極的な姿勢には懸念を抱いている。我々は、2011年末に日本が鉄道分野で譲歩を提示してきたとき、とても喜んだことを覚えている。しかし、こうしたコミットメント(約束)をどれだけ実際に守ってくれるのだろうか。私は、日本がEUの市場にアクセスして車を売ることのみに関心があるが、自国の市場を開放することには何の努力もしていないのではと懸念している」。

                    (2へ続く)

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来年の欧州議会選挙を変えるVote Match

 EUにはVote Watchというウェブサイトがある。このサイトは欧州議会の総会における議員の投票行動のデータ(議会5年間で約6000の投票データ)を見やすいように公表している。このサイトにいけば、どういう法案にどの政党グループ、そしてどの欧州議員が賛成/反対したかがすぐに分かるようになっている。今ではEUの研究者やジャーナリスト、ロビーイストたちにとって欠かせない情報源となっている。

Vote Watch の欧州議員のページ

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 このページでは、個別の法案に対する賛否の投票行動だけでなく、議会総会の出席率、議会総会での質問や演説の数、法案修正数や決議作成数、欧州政党グループへの忠誠心(政党グループと同じ投票行動を取った割合)などもすべて可視化(+ランキング分け)されており、議員がきちんと仕事をしているかどうか一目瞭然だ(ここのページをウィジェットとして自分のホームページに貼付けることもできる)。

 9月17日、来年の欧州議会議員選挙の投票率向上(欧州議会選挙の投票率は40%強)を目的として、このサイトに「Vote Match」という新機能が追加された。ここでは、過去に投票された法案の中から特に重要かつ分かりやすい11法案が選出•列挙されており、これに対して市民自身が賛否を示せるようになっている。すべての投票を行なうと、自分の投票行動に近い政党や議員が分かるという仕組みだ。

Vote Matchで扱われている11の投票事例

 Skärmavbild 2013-10-03 kl. 10.33.54

 例えば、ここに記載されている法案は、「原子力発電から撤退するべきか」「ユーロ債を発行するべきか」「欧州統合版の防衛政策を作るべきか」「CO2排出に対する国際連帯税を導入するべきか」「遺伝子組み換え作物(GMO)の規制を厳しくするべきか」「企業の役員に40%の女性の割り当て(クオータ)制度を導入するべきか」「育児休暇でのフル給与支給の期間を14週から20週に延長するべきか」など。

自分の投票行動に近い政党グループ

 Skärmavbild 2013-10-03 kl. 10.37.50

自分の投票行動に近い欧州議員

 Skärmavbild 2013-10-03 kl. 10.35.32

 例えば、私の場合、11の法案採決のうち、社会民主党グループと緑の党グループと9つで同じ投票行動をとっている。最も相性が悪かったのは、保守改革党グループ(英保守党の所属しているグループ)だった。また、個別議員ごとに見ると、私と全く同じ投票行動をとった議員は、Idrek TARANDOという議員(エストニア•緑の党)だけだったことが分かる(750人中1人だけ)。

 こうしたVote Matchは、従来の欧州議会選挙のあり方を変えうる画期的な試みである。政治家の過去の膨大な投票行動を分析すれば(政治家が思想転向しない限りは)、その政治家が将来にどういう法案に対してどういった投票行動をするのかがより正確に予測できる。思想•信条がより正確に丸裸にされるというわけだ。

 これまで有権者が投票するときは、マニフェスト(選挙公約)に基づいて政党や議員を選ぶのが一般的だった。日本でも欧州でもマニフェストは往々にして誇大広告となり、信頼性に欠ける。Vote WatchやVote Matchにを活用すれば、より突っ込んだ政党や議員の研究が可能になる。また、欧州議会選挙前に高校や大学での授業で活用すれば、若者の投票率の向上(欧州議会選挙での若者の投票率は約29%で低迷)も期待できるだろう。

 もちろん、こうしたVote Watchのデータでは、欧州議員経験のある人しか参照できないが、それでも全体の候補者の半数以上はカバーできるし、政党とのマッチングからある程度の自分に近い政治家を選ぶことは可能だろう。また、今のVote Matchで列挙されている11の投票事例以外にも、他にも経済や環境、貿易、若者政策などの分野ごとのデータを取り出せば、さらに正確な判断材料が得られるだろう。

 来年の欧州議会議員の選挙のあり方を変えるのか?変えないか?若者の投票率の向上に寄与するのか?そもそもきちんと参照されるのか?きちんと判断材料になるのか? 疑問は尽きない。

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EUでのインターンのススメ

 年10月に欧州議会でのインターンをするためにブリュッセルへ来てから丸一年が経過した。当時は、毎週出てくる新しい法案や修正案の確認、関係委員会の審議や公聴会のモニタリング、議会内のロビーイングを兼ねたイベントへの(ほぼ毎週)参加などで常に新しいものとの戦いだった。毎週木曜日の夜には欧州議会前の「ルクセンブルグ広場」で何百人ものEU関係に従事しているインターンが集まり、ビールを飲んではふざけたり議論したりしていた。ブリュッセルの良いところは、こうした狭いコミュニティーで同じような興味や関心を持った同性代の若い人達との繋がりが簡単に出来る点である。何より政治好きにはたまらない空間だ。今回は、こうした経験を踏まえた上で、EUのインターン応募を考えている人のために概要とコツを紹介したい。

 EU機関でのインターン

 EU機関では、春ターム(3月~7月)と秋ターム(10月~2月)の年に二回、5カ月の期間でインターン生を受け入れている。欧州議会では、毎年120人くらい、欧州委員会は650~700人ほどを受け入れている。その他にも、欧州投資銀行、欧州中央銀行、欧州司法裁判所、社会地域評議会などの機関もインターンを取っている。インターンの給料はそれぞれの機関で異なるが、おおよそ1200ユーロほど(約15万円)。

 インターンの応募資格

 欧州委員会と欧州議会のインターンの応募資格を持つ対象は、主に18歳以上の学位取得者で、過去にEU機関でインターンをしていない人となっている(一応、年齢制限はないが、インターンの平均年齢は24~28歳くらいだと思う)。非EU加盟国の人間にもインターンへの扉は開かれている。ただし、非EU加盟国の採用枠は、全体の10%を超えてはいけないという規定がある(欧州議会の場合、以前は5%の上限だったが、最近10%に引き上げられた)。つまり、欧州議会で120人をインターンで採用した場合、原則的には12人まで非EU圏の人間を採用できるということになる。

 インターンの応募手続き

 欧州議会でのインターン応募手続きは至って簡単。年二回(春と秋)の応募期間にオンライン上で、必要書類の提出、そして第一志望から第三志望まで希望する部署名を明記した上で、志望動機(A4の半分くらいの分量)の提出を行う。

 これに対して、欧州委員会の応募手続きは二段階に分かれている。第一段階は、まず欧州議会と同じように、オンライン上での必要書類の提出。ここで志望動機、専門性や言語力などをもとに2600人の候補者に絞り込まれる(いわゆるブルーノート・リスト)。その後、第二段階として、このリストに選ばれた候補者の中から欧州委員会の各部署が希望する人材に対して電話面接を行い、最終候補者を決定する。

 ただし、欧州委員会も欧州議会も選考基準は曖昧である。たしかに学歴(修士号)、専門分野、言語能力(3カ国語)が選考の指標になっているが、人脈(コネ!)も重要な鍵になっている。本気でインターン枠の獲得を目指す人は、事前に希望する部署あるいはその部署の知り合いにコンタクトを取り、どういう人材が必要かどうかを確認したり、ブリュッセルに来る機会のある人は知り合いを通じて担当者に売り込みをすることもある(日本の就職活動におけるOBOG訪問みたいな感じ?)。

 インターンの応募者数と採用数の割合

 欧州委員会は、インターンの応募者数の公式統計を発表している。年間平均の応募者の数の変化を見てみると、2007〜2008年の経済危機後に増加傾向にあり、2013年の秋タームは前年同期比では、9060人から18797人にほぼ二倍に増えている。また、インターン応募者の国別統計で顕著なのは、南欧諸国が突出して多い点である。2013年秋タームは、イタリア人が4179人、ポルトガル人が2491人、スペイン人が2489人で、全体のほぼ半分を占めている。なお、毎回イタリアの枠から採用されるのは80人、スペインからは40人くらいなので、平均的な応募倍率は50倍にも達する。その他の加盟国の倍率はおおよそ10~20倍だから、南欧諸国がいかに厳しい状況にあるか分かる。逆に、北欧諸国は給与水準が高いこともあり、インターンの応募倍率は常に10倍を下回っている。

インターン応募者数(年別)

インターン応募者(年別2)

2012年10月の応募者と2013年の応募者の比較(国別)

インターン応募者(加盟国別2)

 日本人のインターン

 非EU加盟国からもインターンを受け入れていると書いたが、日本人が採用されることはそれほど多くはない。ただ、だからといって、EU機関の側に日本語が使える人材の需要がないというわけではない。日欧関係は日米に比べれば重要度は劣るだろうが、それでも日本が関わる政策分野は多いため、日本語を使える人材を採用したいという部署はそれなりに存在する。例えば、日本とEUの自由貿易協定の交渉に関わる報告書を作成する仕事は増えている。昨年、欧州議会で関連のレポートを作成した際には日本人がいなかったために中国人のインターンがそれを準備していた。また、科学技術(特にICTやエネルギー)の分野でも日本とEUは、頻繁に情報交換を行っている。こうしたことを踏まえれば、欧州委員会の貿易総局や産業企業総局、欧州議会の国際貿易委員会や科学技術審査局(STOA)で日本人がインターンとして採用される可能性は決して低くはないだろう(少なくとも倍率が高いイタリアやスペインよりは可能性は高いはず)。

 私が思うに、日本の大学(あるいは大学院)でEUに関する研究をしている学生は少なくないはずだが、実際にEUがどう機能しているのかを熟知している人は驚くほど少ない。その原因はEU自体の複雑さ、日本との地理的な距離、日本の大学の教育の在り方などにあるとは思うが、政治学の学位を取得しておいて世界の政治経済の重要な独立変数であるEU機関の知識が乏しいというのは悲しいことである。特に、日本の修士課程の学生、あるいは欧州への留学経験のある学生には、こういうインターンがあるということ、そして採用される可能性は少なくないということを知ってもらいたいと思う。

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EUの共通漁業政策の改革案が合意へ

 今日、EUの閣僚理事会と欧州議会が共通漁業政策の改革案について大筋で合意した。

欧州議会の修正案は、MSY基準の遵守や魚の船外投棄の禁止などを含めたラディカルな内容だったため、南欧を中心とした漁業国(スペイン、フランス。ポルトガル、ギリシャ、ルーマニア)はこれに強く反対していた。2月に欧州議会が修正案を可決したあとの漁業委員会のミーティングでは、三者交渉が進まないことから、来年まで持ち越されるという悲観的な見方もあった。欧州議会の漁業委員会は「欠陥のある改革案ならないほうがマシだ(bad deal is worse than no deal)」という立場を繰り返していたが、どうやら欧州議会も漁獲枠設定におけるMSY基準の適用範囲などで妥協をしたみたいだ。「少し穴のある改革案でも何もないよりはまし」という政治的な判断をしたのだろう。欧州議会は、実を取りながら柔軟な対応をした、と思う。

もちろん、共通漁業政策がどのように遵守されるのか実効性を巡る懸念はあるーEUはルールはつくっても加盟国で遵守されないというケースが多いー。ただ、この改革案は、EUの漁業政策が生き延びるための大きな一歩になることは間違いない。

ー新しいEUの共通漁業政策のハイライトー

1. 科学的に持続的とされるMSYに基づく漁獲枠の設定と遵守(政治ではなく科学で決める)

  •  2015年までに「可能な」魚種を対象に再生産できる水準(MSY)で漁獲量を設定する。
  •     2020年までに「すべての魚を対象に」MSYで漁獲枠を設定する。

2. 海上投棄の禁止(Discard Ban)

  •  2015年から漁獲された浮魚の、2019年からすべての魚を対象にの海上投棄を禁止
  •  例外として漁獲量の5%の投棄を認める(これについてはまだ詳細は確定していない)

3.個別式委譲(取引)可能漁獲枠(Individual Transferable Quota-ITQ)の導入に反対

  •  EUレベルでの漁獲枠割当の個別委譲は認めない。
  •  漁獲枠の割当は、EU全体ではなく、加盟国ごとにそれぞれの事情に照らして設定する。

4.資源回復エリアあるいは海洋保護区(Stock Recovery Area/Maritime Protected Area)の設定

  •  加盟国はそれぞれの海域内で10%-20%の資源回復エリアを設定するように努力する

5.中長期的な漁獲枠の設定の導入と欧州議会の関与

  •  これまで漁獲枠は一年単位で設定されていたが、今後、いくつかの魚種について多年度での漁獲枠を導入。
  •  欧州議会は「リスボン条約(2009)の締結後、漁獲枠の設定に関与できる権限がある」と主張してきたが、閣僚理事会はこれに反対してきた。欧州議会の権限が認められるのかは今の時点では不明。
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スウェーデンの買春禁止法がもたらした規範意識の変化

(売)春という行為を合法化の下で管理するか違法行為として禁止するかという論争は、欧州のフェミニストにとってお馴染みのものになっている。前者の合法化モデルを進めてきたのはオランダで、ドラッグの合法化と同じように売春婦も職業として認めてきた。その主な目的は、売春婦の人権を守りながら管理•運営していくことだった。

このオランダモデルに断固として反対してきたのがスウェーデンのフェミニストたちである。実際にスウェーデンでは1999年から世界に先駆けて買春行為を禁止した(最高1年の罰則規定)。彼の思想を要約すると、「買売春を法的に認めることは、男性に依存する家父長的な体制を温存するだけでなく、(海外からの)人身売買を含む犯罪行為の助長に繋がる。根本的な解決のためには、男性が女性を買うという行為自体を減らさなければならない」というもの。

スウェーデンのフェミニストは、自国の13年間の社会実験を成功と結論付けている。1999年の買春禁止法の施行後、スウェーデンの路上における売春婦の数は減少し、今ではノルウェーやデンマー クの3分の1になっている。その一方で、路上を取り締まったとしても、インターネットや携帯を利用したブラックマーケットに流れるだけという懐疑的な声もある。たしかにスウェーデンの闇市場は拡大傾向にあるが、欧州諸国と比べると、その拡大の割合は低水準に留まっている。つまり、買春を禁止することによって闇市場に需要が流れたわけではなくて、むしろ(本来もっと増えるはずだった)闇市場の拡大の抑制に寄与しており、人身売買などの犯罪の抑止にも繋がっているという。

また、買春禁止法のもたらした最大の成果は「買売春はいけない」という規範意識を作りあげたことだと指摘される。法律が施行する前の世論調査では、これに賛成するスウェーデン人の割合は3割だったが、今では7割まで増えている。「買売春は悪いこと」という規範が浸透することで、路上での買春だけでなく、闇市場の潜在需要も減らしている。例えば、スウェーデンが違法ダウンロードの刑罰化を進めたとしても、「違法ダウンロードはいけないこと」という規範意識が共有されない限り、人々はいくらでも抜け穴を探してダウンロードをやめない。その意味で、スウェーデン人の買売春に対する規範意識が変わってきていることは大きな成果といってよいだろう。

ただし、スウェーデン人の男性 が海外に新たな市場を求める動きはあるようだ。ノルウェーは2009年から世界に先駆けて自国民の国外での買春を禁止した。他国で合法だと認められている行為に対してどうやって罰則を課すのか不明だが、おそらく実質的な効果というよりも規範意識を高めるためのアナウンス効果を狙っているのだろう。

今、スウェーデンのフェミニストたちは、ノルウェーと同様の罰則規定を設けるようにスウェーデン政府に働きかけている。現在のスウェーデンの政治状況を見ると、政権の右派ブロックではキリスト教民主同盟以外の3党が反対しているが、野党の3党(左党、環境党、社民党)はこの提案を支持している。来年の総選挙で左派ブロックが勝てばすぐに法制化される可能性がある。また、EUの中でもスウェーデンモデルは注目を浴びており、フランスなどにも輸入される見込みである。これがオランダの合法モデルを侵食するかはわからないが、長期でみれば、欧州レベルでも大きな対立を生みそうだ。

 参照:欧州議会でのカンファレンス(2012年12月4日)、スウェーデンのDNへのフェミニストの意見文

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EUの共通漁業政策の修正案の行方

週間前、共通漁業政策(CFP)の改革案が欧州議会の大多数の賛成で可決した。しかし、本当の戦いはこれから始まる。欧州議会で可決された改革案は、加盟国政府で構成される閣僚理事会で承認されなければならない。もし閣僚理事会で合意が得られなければ、新たに修正点を付け加えた上で、欧州議会へと突き返される(second reading)。もし欧州議会がこれを受け入れなければ、調停委員会(日本でいう両院協議会のようなもの)が招集され(third reading)、両者の妥協が計られる。

さて、閣僚理事会はどう動くだろうか?

今のところ、欧州議会で可決したCFPの修正案がそのまま閣僚理事会を受け入れる可能性は低いとみられている。その理由は大きくわけて二つある。1)上院と下院の政党グループの議席のバランスがねじれていること 2)対立の争点が政策よりもEUの制度のあり方に関するものであること。

(1)閣僚理事会では、人口のサイズに考慮する形で、それぞれの加盟国に持ち票が分配されている。全体の345のうち、ドイツ、フランス、イギリス、イタリアには29票(8.9%)ずつ与えられている。また、意思決定の方法は、税制や外交などの主権が関わる政策においては「全会一致方式」、それ以外の多くの政策分野では「特定多数決方式(Qualified Majority System)」が採用されている。特定多数方式では、全体の255の票数(74%)を超えれば法案が可決。逆にいえば、91票(26%)で法案をブロックすることができる。

 現在の閣僚理事会と欧州議会のにおける政党の勢力図(~2013年1月現在)

 欧州議会と閣僚理事会の勢力図

現在、閣僚理事会における政権政党の構成を見ると、27の加盟国のうち15カ国が(穏健)保守党グループ(EPP)によって率いられている(連立政権の場合は首相の所属する政党を指す)。政党グループの持ち票の割合は、EPPグループが50.7%、(英)保守党のECRは11%、社民党は22.9%となっている。つまり、現行の特定多数方式の下では、(特定多数の74%を満たさない)EPPグループだけで法案を可決に導くことは不可能だが、少なくとも気に入らないものをブロックできる。

一方、欧州議会では、EPPの議席割合は35.8%で過半数を満たしていないため、他の政党が政策ごとに連立を組んだ場合、EPPはそれをブロックすることはできない。EPPが過半数を満たすためには、ECR(英保守党)とALDE(自由党)との右派陣営と協力するか、あるいは左派のS&D(社民党)と大連立を組む必要がある。過去の投票記録を見る限り、いくつかの政策分野(農業/漁業/予算)では、EPPとS&Dが大連立を組むことが多いが、環境政策などの分野においては、両党は対立する傾向にある。また、ALDE(自由党)はいつもEPP(保守党)に歩調を合わせるが、環境/市民的自由の政策領域になると、S&D(社民党)につく場合が多い。

最近の研究では、欧州議会で右派陣営(EPP,ALDE,ECR)の多数で可決された法案は、閣僚理事会でもそのまま可決する傾向にあるが、左派陣営(S&D,ALDE, Green)によって可決された法案は閣僚理事会でブロックされることが多いということが明らかになっている。まさに「ねじれ」状態である。

なぜ共通漁業政策(CFP)の修正案が閣僚理事会でブロックされる可能性があるかというと、CFPの改革案の中身は左派陣営の多数によって可決されているからだ。閣僚理事会の多数派は右派政権によって構成されていることから、左派陣営の法案をそのまま通すことは難しいだろう。

(2)もう一つの理由は、閣僚理事会と欧州議会の対立点は漁業政策の中身ではなく、EUの政策決定の制度に関することだからだ。これまで魚の漁獲枠の設定については閣僚理事会が独占的に決めてきた。しかし、リスボン条約の発効後、欧州議会の立法権が拡大したという解釈の下、今回のCFPの改革案は、「中長期的な漁獲枠を決めるプロセスへの欧州議会の関与」を求めている。

閣僚理事会は「MSYの遵守」や「船外投棄の禁止」などの項目については細かいところで妥協の余地はあるが、「中長期の漁獲枠を決めるプロセスへの欧州議会の参加」は認められないとして反対している。欧州議会は「リスボン条約に記載されている権利を求めている」として断固戦う姿勢を見せている。もし両者が妥協をしなかったら、「MSYの遵守」や「船外投棄の禁止」などの重要な事項についても先延ばしになる。最悪の場合、来年の夏まで待っても可決しない可能性すらある。閣僚理事会は「漁獲枠にこだわる欧州議会に非がある」といい、欧州議会は「閣僚理事会が悪い」という。

欧州議会の議員は自分たちに妥協の余地はない、閣僚理事会にすべてが委ねられていると主張。だが、このままチキンレースのようにブレーキを踏まずに進めば、閣僚理事会の合意が得られないまま、改革案がクラッシュするかもしれない。ある漁業委員会の議員は「もしそうなったら、いくら閣僚理事会に非があるとしても、我々は漁業者に土下座して謝らないといけない」とも言っている。

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EUの予算案(2014-2020)の行方

週、EUの多年度財政枠組案(MFF)がすべての加盟国の合意が得られた。これはEUの2014-2020年の7年間の予算の上限とその内 訳を設定するもの。EUの予算は発足以来、EUの権限の拡大や加盟国の増加に沿ってずっと右肩上がりだった。それが、今回初めて減ることとなった。

欧州委員会は当初1兆€を超える予算を提案していた(2007-2013年の予算より4.8%の増大)。しかし、イギリスや北欧諸国を筆頭に加盟国の激しい抵抗を受けたため、当初の提案よりも500億€(約6兆円)削減され、9600億€となった(2007-2013年の予算よりも3.3%の減少)。予算の内訳/分配を見てみると、農業分野への補助金が削られ、R&Dやインフラ、教育に対する予算枠が相対的に増えている。また、一人当たりの欧州官僚の給料が5%ほど減らされる模様。

EUの予算2007-2013と2014-2020

BBCの記事(英語)

ただ、予算案が採用されるためには、欧州議会の承認を受ける必要があるが、議長のマーティン=ショルツ(独)は、R&Dを始めとする未来への投資が削減されたとして不満を表明。4つの政党グループー保守党、社民党、自由党、緑の党ーも予算案の否決の可能性を示唆している。

もし欧州議会が否決すれば、多年度の予算枠が崩壊、R&Dなどの長期的な投資の計画が立てにくくなる。ただし、その場合、来年の予算は前年度の予算が2%のインフレ分を上乗せした上で自動的に繰り上げされる。つまり、EUとしては、長期的な予算が組みにくくなるデメリットはあるが、全体の予算額は増えるというメリットがある。

予算案をめぐる動きは欧州での関心の的となっている。どちらが良い選択肢なのかは一概にはいえないが、欧州議会の官僚の同僚の一人は、予算案を拒否するべきだ、といっていた。来年、欧州議会選挙があるが、その投票率は40%台で低迷している。もし予算を巡る戦いで存在感を見せつければ人々の欧州議会に対する関心が高まり、投票率も上がるというのだ。

たしかに欧州議会が予算案を拒否すれば欧州議会に対する注目度は上がる。欧州の重要な政策がここで決まると分かれば、好き嫌いに関わらず、選挙に行く人は増えるだろう。だが、実際に議会が否決をした場合、EUの市民が賛成するかどうかは別問題である。欧州議会は、未来への投資を減らすべきではないと主張しているが、逆に、多くの国民は(あまり内容を知らず)EU予算の削減を支持していることも事実。 加盟国の首相がEU予算の削減を進めているのは、多くの国民がそれを求めていると考えているからだ。一方、欧州議会は、EUの市民の多くがEU予算の増大を求めていると思っている。加盟国政府は自国の民意に従う必要があるし、欧州議会はEU市民全体の民意を反映させることが仕事だ。民主主義の原則に照らしてみて、どちらも間違っているわけではない。

いずれにしても、来月の3月、ストラスブルグでの欧州議会の投票は要チェックである。

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EU共通漁業政策の修正案、欧州議会を通過

2月6日にストラスブルグの欧州議会にて、EU共通漁業政策(Common Fisheries Policy, CFP)の修正案が通過した。しかも、修正案(全体)については賛成502(75%)、反対137(21%)で、予想を遥かに上回る差での可決となった。修正案の内容は欧州委員会が起草したものからは若干後退しているが、社民/自由/緑の党が重要と考えていたものはすべて残っている。

①MSY(魚が再生産できる水準)での漁獲枠の遵守。②魚の船外投棄の原則禁止。③「個別委譲(取引)可能漁獲枠(Individual Transferable Quota)」のEU全体での導入は行なわない。④多年度の漁獲枠の設定およびその意思決定のプロセスに欧州議会の関与を認める。⑤第三国との漁業協定でもMSYでの漁獲枠を遵守、基本的に余剰の水産資源を利用する。

Result of vote for the CFP修正案(全体)に対する投票結果(緑が賛成/赤は反対/黄色は棄権)

 欧州議会の欧州政党グループは、左から「左党(GUE-NGL」「緑の党(EFA)」「社民党(S&D)」「自由党(ALDE)」「(穏健)保守党(EPP)」「(英)保守党(ECR)』に分かれている。この投票結果を見ると、EPPからの反対(107)が賛成(115)と同じように多く、党内でのまとまりが取れていないことが分かる。EPPの反対派を見てみると、面白いことに、スペイン、フランス、イタリア、ポルトガルなどの南欧諸国ばかり。彼らは欧州政党の方針よりも自国政府の意向を優先して反対票を投じている。まさに漁業利権を持つ国(主に南欧)とそうでない国の反応の差が如実に出ている。

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