立ち上がれ若者(笑)

 昭和池田財団学生論文(2010年度)という懸賞論文に応募したところ、優秀賞を頂いた。テーマは「日本の指針」で、論文のタイトルは「日本の参加型民主主義へ、立ち上がれ若者」。スウェーデンの若者の政治参加の事例を紹介しながら、日本の若者の政治参加を促すインフラ整備の必要性について書いた。自分のブログに書きためていた記事をもとに加筆し、まとめた。
 少し書き直してからアップロードしようと思っていたが、のんびりしていたらもう10月になってしまった。これ以上延びるとお蔵入りしそうだし、何人か知り合いからも読みたいという声をもらったので、ここにアップすることにした。スウェーデン、政治、環境党(緑の党)、若者参加などに興味があればぜひご一読を。
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 •論文の趣旨
 フクシマの原発事故で痛感させられたのは、日本の民主主義の貧困である。つまり国民の監視が行き届いていないことにある。国民からのチェックがなければ、エリートたちは、全体利益を見失い、自己利益の確保に走り、暴走する。日本人はこのことを、第二次世界大戦のときに身を持って経験したはずなのに、また同じような失敗を犯してしまった。鉄のトライアングル(海軍/陸軍/メディア)の前に大正デモクラシーが消えたように、原子力ムラ(政治家/産業界/官僚/メディア/アカデミア)の前で、エネルギー政策の常識的な議論が潰された。安定的な国家運営をするためにはメディアの精査と国民による政治参加が不可欠であるが、まさにその「国民による統制」が欠けていたのだ。
 私は論文のなかで「参加型民主主義」の必要性を書いた。「参加民主主義」という用語には次の二つの意味が含まれている。①従来的な政党への活動や選挙などの「フォーマルなチャンネル」を通じて政治に関わっていくこと。②上記以外の「インフォーマルなチャンネル」で政治に関わっていくこと。政治学の分野では、参加型民主主義という言葉は、②の意味で使うことが多い。しかし、そもそも日本では、政党や選挙を通じた従来的な民意伝達のチャンネルが機能不全にあることを鑑みると、②よりも①こそ喫緊の課題だと私は考えている。

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今年はノーベル賞の秋

 う十月になった。自転車で大学に向かうとき、冷たい風が手と足に直撃する。木の葉が赤く染まっては早々と散り、道路へと積み重なる。いつもの町並みから色が落ちていることに、ハッとする。一週間前まで夏の終わりくらいに思っていたら、もう秋が終わり始めている。
 スウェーデンに交換留学で来ていたとき、毎朝、ルームメイトたちと森をジョギングしていた。見る見るうちに木々の葉っぱが赤に変わった。昼と夜の温度差が厳しいからだろうか、スウェーデンの真っ赤な紅葉の美しさに感動した。友達と一緒にキノコ狩りをし、パスタにして食べたことも、昨日のことのようだ。スウェーデンに来た人は、夏の澄んだ空と輝ける太陽が好きだという。私は、ホタルのように激しく輝き消える秋にこそ、美を見出したい。
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 今年のスウェーデンの秋が思い出になるかどうかー。
 それは村上春樹のノーベル賞受賞に掛かっているといっても過言ではない。私は、毎年のように村上のノーベル賞受賞を楽しみにしている一人である。これまで二年間スウェーデンで秋を過ごしているが、その度に大いなる期待を抱き、その度に悔しさを味わってきた。来年スウェーデンにいるかどうかわからない。もしかしたら今年が最後かもしれない。今年こそぜひとも受賞してほしい。もし本当に受賞したらストックホルムの市庁舎に行ってこようと思う。
 今年のノーベル賞は木曜日に発表される。スウェーデンの新聞やテレビでは、ノーベル賞候補者の予測を始めており、村上は有力候補に上げられている。私の主観的観測を抜きにしても、村上の文学賞受賞の可能性は高いはずだ。
 今年、「1Q84」のスウェーデン語翻訳が英語版よりも先に出版され、新聞の書評欄ではこぞって取り上げられた。映画「ノルウェーの森」も公開された。「走ることについて語るときに僕の語ること」のスウェーデン語版もよく売れている。また、何よりも、大地震が起き、世界中が日本に注目した年でもある。村上春樹は、地震をテーマに「神の子供達はみな踊る」を書いている。これでは村上を選ばない方が不思議というものではないか。
 ただ、もしも村上が文学賞を取ってしまったら、その後に誰が続くことが出来るのだろうか?村上なき後で、世界に羽ばたける日本人の文学者がいるのだろうか? 毎年の秋の「行事」が無くなってしまうのはそれはそれで寂しい。楽しみにしていた遠足が終わった後のように。

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ウプサラに帰還

 日、ウプサラに戻ってきた。
 サマースクール@リュブリリャーナの二週間は、大変だった。社会ネットワーク分析(Social Network Analysis)といメソッドに関するコースを履修していたのだが、正直、これが政治学分野や研究内容に適用できるのかどうか最後まで掴めなかった。
 UCINETやSTOCNET、VISONE、Rといった、今まで人生で見たことも触ったことももないソフトウェアの操作を覚えなければならなかった。メソッドの勉強というより、コンピューターの使い方を学んでいたような感じだった。人々の関係性を統計的な手法とグラフによって可視化することが出来るというのは「クール」なのであるが、グラフとして見かけをかっこ良くする以上のものがあったのかどうか、怪しいメソッドであった。
 サマースクールが終わってから、クロアチアのリエカに行った。2年前にザグレブで出会ったクロアチア人の友人が、実家のリエカにいるというので案内してもらった。リエカはユーゴスラビア時代に港町として栄えた。クロアチアの最初の観光地であるオパチエ(Opatie)が隣にあり、海岸線にはたくさんのビーチがある。ここのビーチは、日本人がイメージする砂浜ではなく、ごつごつした岩場である。また、イタリアとクロアチアの半島に囲まれたアドリア海は、波がない。砂もなく、波もないので、ゆっくりと優雅に泳ぎたい人には格好の場所といえる。
 これからウプサラでの日々が始まる。インターンシップはしないことになったので、あと一年間ほど、ウプサラに滞在する。今期の目標は、もちろん修士論文の作成、スウェーデン語の勉強である。修士論文の方向性と内容は定まったから、あとは全エネルギーをつぎ込むだけである。その後のことはあまり考えてはいない。一生懸命に生きていけば道は開けると信じている。また、たとえ道が開けなかったとしても、それが何だっていうのだろうか。人生には勝ちも負けもない。負けたと思ったときが本当の負けだ。僕は楽観主義者である。

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リュブリャーナの広場

 ルプスの山々に囲まれた小さな国、スロベニア。首都のリュブリャーナに滞在して一週間が経過した。町の中心地は、古い建物が立ち並び、スロベニアの歴史を感じさせる。観光地でありながら媚びた感じがしない。夜になると、ライトアップされた川沿いに若者達が集まり、喧噪と活気で満ちあふれる。
 どうしてか、日常的な生活感、親しみやすさを感じる。人々(特に若い人)は英語を話すが、英語表記の看板やサインはほとんどない。図書館にいっても、英語の新聞は見当たらない。寿司屋もほとんど見当たらない。でも、パン屋はとんでもなく多い。100メートル間隔で「PEKARA」「BUREK」というサインを掲げ、パン屋が点在している。Burekとは肉(あるいはチーズ)を敷き詰めたパイ仕立てのパンで、ユーゴスラビアの代表的な食べ物(らしい)。
 町の郊外に行くと、いわゆる共産党時代の地味で色のないコンクリートのアパートが立ち並んでいる。どこにいっても似通った風景。一旦隘路に入り込むと、方向感覚を失い、道に迷う。こういうところを見ると、グローバル化の波を受けていないように思うが、ユーロ加盟国だから物価は高く、スーパーマーケットの商品はほとんどスウェーデンと変わらないくらいの値段にインフレしている。町の風景が、経済の変化についていけていないのか、あえて変化をこばんでいるのか、少しアンバランスで、今後の行く末が気になる、スロベニアである。
 だが、人々は優しい。リンゴを買うためにレジの列に並んでいると、前のおばさんが早いからと先に入れてくれたり、道案内のために自転車でわざわざ付いて来てくれたりする。他の東欧に比べたら、人々は割合と笑顔で挨拶をくれる。一週間滞在しての印象は、グッドだ。
 
  町の中心の広場と、山の上に聳える、リュブリャーナ城。
 
  有名な三本橋:ここは何度見ても、素敵。
 
 同じ広場、リュブリャーナのザ•観光地。
 
 スロベニア人にとって大切なシンボルである、マスコットのドラゴン。どうみてもサイにしか見えない、というツッコミは心のなかに留めておく。

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スロベニアに行ってきます

 日から三週間ほどスロベニアの首都リュブリャーナに行く。毎年、EU内の大学が連携して政治学の方法論に関するコースを開いていており、夏のサーマーセッションは、リュブリャーナ大学がホストを務めている
 当初はスウェーデンに残り、スウェーデン語を継続的に学ぼうと思ったが、自分の研究内容を深める必要があるし、修士論文のテーマも絞らないといけないので、ここのコースを取ることに決めた。しかも、ウプサラ大学は協定校なので、300ユーロの補助金ももらえた。貧乏学生にとっては有り難い限りである。
 修士課程の同級生のアメリカ人の友人と一緒に行く。チケットはチェコ航空で往復3万円くらい。リュブリャーナでの住処は、カウチサーフィングを通じて見つけた現地の人のアパートで、3週間で大体200ユーロほどと割と安い。ここ一ヶ月くらいはスウェーデン語ばかりに集中しアカデミズムから遠ざかっていたので、ここで頭を切り替えて、勉学に励む所存。

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夏のラップランドにてキャンプ

 ウェーデン語コースの週末プランで、ラップランドにてキャンプをしてきた。夜行列車に2日と山の中のテントで3日間の、合計で5日間の滞在。今回の参加者は全部で8人だった。そのうちの半分がアメリカ人で、その他はヨーロッパ人、アジア人は私一人だけだった。

 夜行列車で北極線の通るミュレック(Mujek)まで行き、バスに乗り換えて、ヨックモック(Jokkmokk)を超え、 クヴィックヨック(kvvikkjokk)に行く。そこでボートに乗り換え、山のほとりまで渡る。スウェーデンの植物学者のカールフォン=リンネも、同じルートを通り、植物の採集をしていたそうだ。ちなみにここの地名がスウェーデン語っぽくない(フィンランド語っぽい)のは、北極圏に住んでいる原住民のサーミ語を使っているからだ。

 3つのチームに分かれ、バックパックにテント、マットと寝袋、ガスを詰め込んで、山登りがスタート。バックパックの重さを別にすれば格別厳しいわけではない。三時間くらいでほぼ山の上層部に辿り付く。スウェーデンで一般的に山というと、フャール(Fjäll)という言葉を使うが、これは日本の山のイメージとは異なる。普通、日本では尖った三角形の山を思い浮かべるが、スウェーデンでは、より横になだらかに広がっているものを指す。山の上では、平らな草原が広がっており、山登りというよりも、ゴルフ場をハイキングしているような感覚。

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 テントの場所は自由に決める。小川の流れている近くの、平たな場所を見つけ、テントを立てた。地面は苔が何重にも重なり、クッションが敷かれているように柔らかい。テントを支える釘はいとも簡単に埋まった。風が草木を揺らし、日差しが強く照りつける。すぐに天候が変わり、雨雲がやってくる。周りには誰もいない。日本における田園などの田舎の風景は、長年に渡って現地の人間が作り上げたものだが、ここには人工的なものは何も無い。無人のスウェーデン。自然に囲まれるというのは、こういうことかと改めて実感する。

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 たき火をする。湿った木の小枝に火がボオッと燃え上がる瞬間が好きだ。夕食は、じゃがいもと、ミートボール。じゃがいもの粉末の元を沸騰した水に入れると、いきなり膨らんでハッシュドポテトになる。自然の中で食べるご飯はいつでも美味しい。

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                 夜の11時くらいで日が沈み出す

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          夜12時過ぎ。雲と山に太陽が隠れるが、明るい

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 翌日、テントの中に荷物を置き、必要なものを携えて近くの山を登る。テントのある場所から二時間近く掛けて山のふもとまで歩く。集合写真を取る。この写真の右側の山を登る。

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         山に向かう途中で、湧き水を見つけては水分を補給する。水は綺麗で美味しい。

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          山の頂上。岩の固まりで出来た山。登りにくい。少し雪が残っている。
 
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   この後、下山。再び3時間くらいかけてテントの場所まで歩いて戻る。皆クタクタ。

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      翌日はキャンプ場に泊まる。近くに湖があり、サウナもある。少しリフレッシュ。

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 唯一後悔しているのは、きちんと蚊対策をしなかったこと(一応用意はしていたが十分ではなかった)。四六時中、蚊に悩まされた。上の写真のように、常に10匹以上の蚊がもれなく旅のお供をしてくれる。血を吸われ過ぎて骨になるかと思ったくらいだ。蚊よけスプレーも、シャツを二枚重ねて来ていても、靴下を二枚重ねて履いていても、彼らの前には意味をなさない。ラップランドに行く方には、顔周りをカバーする蚊よけを持っていくことをお勧めする。

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ラップランドに行ってきます!

 から夜行列車に乗ってラップランド(スウェーデンの北部)に行ってきます。5日間(実質は3日間)、キャンプをしながら山登りをします。明けない夜はないといいますが、ラップランドにはそもそも夜がないのです。いつ歩こうが、いつキャンプを立てて休もうが関係ないというフリーダム。楽しみなり(ツイッター風)。

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さよならスウェーデン

 ッカー女子ワールドカップの日本対スウェーデン。スウェーデンでは、この試合はメディアでも大きく取り上げられており(大手の新聞のほとんどが一面で報道)、人々の話題になっていた。大手の新聞は日本チームのことを「女子サッカーのバロセロナ」と褒めながらも、フィジカルで有利なスウェーデンが勝つという希望的な観測を流していた。アフトンブラーデット紙のスポーツ面の表紙には、悲しい表情のイラストとともに、「Sayonara Japan」という文字が掲載されていた。もちろん、みなさんご存知のように、結果は日本の大勝利。むしろ、「Sayonara Sweden」でした。
  
 この日は、スウェーデン語の学校の日本人の知り合いや他の友達を誘って、ウプサラのスポーツバー(Oleary)で試合を見た。女子サッカーながら、客席はほとんど埋まっていた。お店の奥にある階段席に、既に良い感じに酔っぱらっているスウェーデンサポーターたちと横になる形で陣を取った。「敵国の日本人がやって来た」と睨まれないように、日本の国旗とともにスウェーデンの国旗も持参。お互いのチームにエールを送り合い、スウェーデンの国歌を歌い、交流ムードを深める。試合前にスウェーデンチームが「Say no to Rasism」というバナーを掲げていたのを見て、私の友人のスウェーデン人は「ここでも政治だよ」と苦笑いしていた。日本の勝利で終わった後には、スウェーデンサポーターから祝福の声を掛けてもらい、皆で一緒に写真を取った。久々の心楽しいサッカー観戦であった。
 
 それにしても、日本チームがこうやって世界の強豪を圧倒している姿を見ると、心を強く揺さぶられる。特にカタルシスを感じるのは、フィジカルで劣る選手が、フィジカルで勝る相手を倒しているからだろう。たとえ身体が小さくともテクニックとスピード、チームワークで勝てるんだということを改めて教えてくれる。自分も頑張らないとという気持ちにならざるをえない。次はアメリカとの決勝戦だ。ぜひ勝って世界一になろう!

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ウプサラの語学学校

 ウェーデンはもう夏休み。私も6月下旬から、スウェーデン語の学校に通っている。自分で勉強しようと思えば出来たかもしれないが、ウプサラは夏休みの期間、学生がいなくなり、ゴーストタウンみたいになって気持ちがなえる可能性がある。毎日の生活リズムを保つために学校に通うことにした。
 今回は、語学学校のことについて書こうと思う。
 学校の名前は、ウプサラインターナショナルサマーセッション。スウェーデンでは一応名の知れた語学スクール(夏休みと冬休み限定)のようだ。私はスウェーデン人の友達に教えてもらった。参加者は、世界各国から集まるとされているが、実際はアメリカ人とドイツ語圏の人達が大半を占めている。南欧、アジア、南米の参加者はほとんどいない。日本人の参加者は例外的に多く、私を含めて6人もいた。日本のスウェーデンに対する関心は、高すぎるほど。
 私のクラスの人数は8人くらいで、先生は、60歳近いスウェーデン人の男性。スウェーデン語教師としての経験は長いが、オランダに長い間住んでおり、最近のスウェーデンの事情について分かっているのか少し疑問符が付く。また、一ヶ月間の授業計画もなく、授業の進み方もその場しのぎの適当な感じでイライラすることがある。授業の質は先生とクラスメイトによって決まるが、これは事前に決められないから仕方ないと割り切るしかない。
 この語学学校では、英語が出来ることは前提になっているので、英語が苦手な人は苦労することが多いかもしれない。スウェーデンへの特段の興味がないと疲れてしまうだろう。加えて、参加者の年齢層が高いことも重要なポイントである。今の参加者の平均年齢は約32歳。ほとんどの人達が仕事をしながら夏休みを利用して来ている分、授業に対する姿勢はとても熱心である。若い雰囲気を期待している人には合っていないかもしれない。アクティビティーやイベントもそれなりに用意されている。社交イベントや飲み会に加え、ヴァームランドへの小旅行、ラップランドへのハイキング、フィンランドへの旅行などもある。
 特にスウェーデンに博士課程や修士課程で来る人達には良いプログラムかもしれない。私もスウェーデンで修士を始めるときに取っておけば良かったと思っている。授業が始まるとすべて英語になるのでスウェーデン語を勉強する意欲も時間もなくなってしまうからだ。今さらそんなことをいっても仕方ないので、これから一ヶ月は集中して取り組もう。

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地球ラジオ出演のお知らせ(笑)

 NHKの地球ラジオというラジオ番組の一つのコーナーに出演しました。このブログでも書いたことのあるスウェーデンの「セミベジタリアン運動」について5分ほどお話させてもらいました。こちらの番組ホームページのリンクから一週間ほどインターネット上で視聴する聞くことができます。4月17日(日)の「地球情報局」というコーナーです。5時台のところをクリックしてください(開始後の25分くらいになります)。上手く話せているか心もとないですが、お時間がある方は、どうぞご笑覧ください。

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がんばろう、日本

 関東大震災から1ヶ月が経過した。
 日本から流れてくる被災地の映像には、ただただ言葉を失った。最初の一週間は、日本からのニュースに釘付けになった。何も手に就かず、インターネットを追うばかりの日々が続いた。被災者たちは、避難所生活を続けている。福島原発の住民も避難を余儀なくされている。いつまで避難所生活が続くのだろうか、これからもあの地で住むことができるのだろうかー。被害に合った人達を思うと、気の毒で仕方ない。
 でも、オロオロと心配するばかりでは復興には役に立たない。自分の信条に反して自粛してばかりでは復興の妨げになってしまう(ネットでは他粛と呼ぶらしい)。それぞれが自分の足場をきちんと固め、自分のやるべきことをやるしかない。
 
 また、テレビや新聞に対して被災地の悲劇的な様子を映さないよう配慮を求める意見があるらしい。毎日新聞の記事のなかでも、ある記者は、読者への影響を考え、現地の写真を出すかどうか迷っていると書いていた。これはまずいと思う。マスメディアの役割は、伝えるべきことを伝えることである。たとえ、国民が嫌がることでも、目を背けたいことでも、メディアに携わる者が伝えるべきだと感じるのならば、それは出さないといけないだろう。
 もちろん、わざわざ可哀想な「絵」を見つけてセンセーショナルに報道するなんてことは問題外であるが、取材者が伝えなければいけないと心の底から感じたとしたら、それを出すことに躊躇する必要はないはずだ。メディアの自粛を求めることは間違いである。むしろ、読者や視聴者には、震災のニュースに向き合うかどうか自分で判断することが求められている。それぞれがそれぞれの仕方で対応していくしかない。
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 私の住んでいるウプサラでは、日本人を中心に、街頭での募金活動をしたり、チャリティーイベントを行っている。それぞれができることで貢献しようと努めている。被災地が復興するために、被災者が普段の生活に戻れるために、そして日本が生まれ変わるために、一人一人が出来ることをやっていくしかない。がんばろう、日本!
  
      (ウプサラでの街頭募金活動:4時間で約70万が集まった!)

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環境党青年部の年次総会2

 境党青年部の年次総会の二日目。この日の主なスケジュールは、青年部代表の二人(男女)を選挙で選ぶこと、各々の党員が提出した政策提案を一つ一つ吟味することだ。以下では、代表選挙の様子を少し紹介する。

 青年部の代表と聞くと、日本の政党の学生部の代表みたいにパッとしない存在に聞こえるかもしれないが、スウェーデンではそれなりの社会的な地位があり、世間の認知度も高い。特に総選挙のある年には新聞などのメディアへの露出も多い。青年部の党員とのコミュニケーションだけでなく、新聞に政策意見を書いたり、メディアに広報活動(PR)するのも代表の大きな役割である。

 今年の代表選挙の候補者は、女性はレベッカ•カールソンだけでそのまま当選となったが、男性の枠には四人の応募があったため競争選挙となった。候補者らに与えられたプレゼンの時間は2分だけで、この短い時間枠で自分の経験、理念、政策を訴えることになる。

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          右からレベッカ、4人の男性候補者たち。

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 :代表候補者の投票用紙。ここに第一希望から第四希望まで書くことができる。その順位に合わせて異なるポイントが与えられる。つまり、第一希望として投票した候補者が第三位や第四位だった場合でも、自分の意思ができるだけ公平に反映させる仕組みになっている。

 党員は何を見て代表を選ぶのかー。基本的には事前に渡されたマニフェストやブログでの主張を見て基礎的な情報を頭に入れておき、前日の質問会や当日のプレゼンテーションの内容で最終決定を下すことになる。ただ、政策の方向性に関しては大きな違いはあまり見られないので(同じ党に所属していてイデオロギーに大きな差があったら困る)、基本的には人柄やスピーチの感触で選ぶことになる。日本の流行で言えば、「人間力」で選ぶという感じだろうか。

 今回、一人だけ特別に個性的な候補者がいた。ユーリというストックホルム大学修士課程の学生で、「平和運動」に一点集中してスピーチを行った。彼は、スウェーデンの北部にある「北ヨーロッパ航空試験場」(NEAT)を一切無くし、「武器輸出」を禁止し、先進国で最初の「非武装中立国」になり、「ガンジーのように非暴力の思想を広げていこう」と主張した。

 (補足:「北ヨーロッパ航空試験場(NEAT)」はヨーロッパ最大の軍事演習場で、NATO軍やアメリカ軍も使用している。スウェーデンはNATOには加盟していないが、NATOとはパートナーシップを結んでおり、アフガニスタンなどのNATOの軍事行動に参加している。環境党の一部のメンバーは2月初旬に「戦争はここから始まる」という反対キャンペーンをスタートした。日本でもよく知られた話だが、スウェーデンは一人当たりの武器輸出額は世界第二位で、エジプトにも武器輸出をしている)

 候補者のプレゼンテーションの後、他の党員による応援演説が行われた。応援演説の参加者は15人で、その割当は公平にくじ引きで選ばれる。応援演説をしたい人は、自分の参加番号を書いた紙を箱に入れ、選挙管理委員会がそこからランダムに選び出すことになっている。しかし、この時参加者から「ランダムに選び出す前に男女の数を公平にするべきだ」という声が出た。これを議長が妥当と判断、すぐに多数決の採決が取られた。その結果、応援演説の割当は男女「公平」になった。

 選ばれた参加者は1分間で応援演説する。それぞれ堂に入ったスピーチだったが、その多くが「非武装中立」を唱えたユーリへの支持表明だった。こののちすぐに投票を行った。

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 この写真は、執行部候補者のプレゼンテーションの様子。これも一人当たりきっちり1分間。少しでもオーバーすると途中で遮られる。また、演説中に拍手を行うことは妨げになるため禁止されている。青年部では、自分の顔の当たりで両方の掌を横にヒラヒラさせることでスピーカーに対する賛意を表現する。素晴らしい演説があると、参加者の手がずっと動き続ける。ほとんどの候補者は時間通りに終えるが、たまに緊張して失語したり、時間オーバーする人がいる。演説が上手くいなかった参加者は残念な表情を浮かべながらステージを後にする。

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 さて、代表選挙の結果が出た。女性枠ではレベッカ、男性枠ではビョーンに決まった。二人とも誰もが認める優等生、環境党青年部での経験も豊富で、現実主義でバランスが取れている。もともと予想されていた通りの結果となった。ただ、個人的には「スウェーデンの非武装中立化」を唱えたユリを支持していたので少し残念だった。

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               投票結果を受けての反応

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        夜の21時半に会議が終わった。その後はノンアルコールジュースでパーティー。

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