先月末、EUがYouth Monitorという若者に関わる様々な統計について発表した(トピックは、若者人口、失業率、雇用割合から、政治への関心度、文化や芸術との関わり、ボランティアへの参加度など)。Youth Monitorのページをみてみると、特段目新しい内容はないように思ったが、平均離家年齢(Mean age of young people leaving the parental household)という指標が気になった。
平均離家年齢とは、若者が両親の家を出て暮らし始めた平均年齢のことであり、EU内の労働力調査に基づいて算出されたものである(詳しい手法は不明だが、15歳から70歳までを対象とした調査に離家年齢の質問項目を入れて算出したものだろう)。
同調査によれば、平均離家年齢が低いのはスウェーデン(19.6歳)やデンマーク(21.2歳)などの北欧諸国で、その次はフランス、オランダ、ドイツ、英国などが続く。逆に、平均年齢が高いのは南欧諸国、東欧諸国で、最も平均年齢が高いのはクロアチアの30.9歳であった。なお、EU全体の平均離家年齢は26歳であり、この数値は過去ほとんど変わっていない(26.3歳から26.1歳になっているのでやや微減だが)。
図:EUの国別の平均離家年齢(2013)
日本ではパラサイトシングのように、実家に「寄生」する若者が問題として扱われてきたが、こうした大きな視点で見てみると、日本だけが抱える特殊な問題というわけでもなさそうである(スウェーデンにいたときはさすが欧州は自立年齢が早い!とか思っていたが、あくまでも北欧諸国が特別な事例であり、欧州のメインストリームではないことに今更ながら気づかされる)
ちなみに,日本の平均離家年齢について探してみたところ、5年に一度の国勢調査(2009)で約21~22歳との結果があった。これだけみると、日本も北欧諸国と遜色がないが、直感的に低すぎるような気がする(たぶん離家の定義が定まっておらず実態よりも低い結果になったのだと思う)。なお、日本の30歳~34歳の親との同居割合をみると、男性は47.9%、女性は36.9%であった。他国のデータがないのでなんともいえないのだが,男性については約2人に1人が親との同居ということであり、これはこれで相当に高い気がする(ただし,同調査は、調査の手法上、実態よりも同居割合が高くなる可能性を認めている)。
EU全体として,若者の離家年齢だけでなく親との同居割合を算出してくれればより正確な比較ができるのだが。