本日、私が作成した日本の漁業に関する報告書が欧州議会のウェブサイトに掲載されました。こちらからダウンロードできます。
主に日本の漁獲に関する現状を概観した上で、特にEUが関心のある個別トピック(日本の漁業規制枠組み、違法漁船への規制、水産物の輸入規制、マグロ、ウナギ、クジラなどの特定種に関する資源管理の状況)について詳しくまとめたものです。できるだけ中立的な立場から客観的に書きましたが、基礎的なデータを羅列するだけで、なぜだか批判的なレポートに見えてきてしまうから不思議です(それだけ日本の漁業の衰退が明らかだということでしょう)。英語での報告書ですが、グラフや表が多いので、見ているだけでよく分かると思います。
欧州議会では、関係委員会に所属する議員が海外に調査団として派遣される場合、議会の行政官が当該分野の資料を作成し公開します(原則)。この報告書もまさに日本へ調査訪問する欧州議員のために私が作成したもので、本来は昨年5月に発表されるはずでした。しかし、財政難によって議会の活動予算が縮小され、議員派遣が中止になってしまいました。漁業委員会は力がないので、他の関係委員会の派遣団と一緒に日本に行けと言われてしまいました。
私は、調査団が中止になったとしても、ウェブサイトに掲載してほしいと頼みましたが、欧州議会選挙の前で立法活動が忙しくなり、最終編集の作業は後回しになりました(本気出せばすぐに終わったはずだと思うのですが、そこは「明日できることは今やるな」というヨーロピアンクオリティーです)。あれから一年が経過した本日、ようやく掲載まで至ったというわけです。
なにはともあれ、欧州議会のウェブサイトに自分の名前の入った報告書が掲載されるのは感慨深いです。まあ、履歴書に載せても、漁業?っていわれて終わるという可能性は高いのですが。