ブリュッセルのEUの機関には半年ごとに千人規模のインターン生が集まってくる(ex 欧州委員会に600人〜700人、欧州議会に100人、その他の付随機関に100人弱)。多くのインターン生(特に南欧諸国出身)はそのままブリュッセルで仕事を見つけようとするが、正規雇用はもちろん、インターンのポジションを見つけることも簡単ではない。インターンの期間が終わりに近づいてくると、同僚との会話は就職活動に関する話題が多くなる。現時点で運良く仕事を見つけた友達の中には、いわゆるロビーイング団体(業界団体、PR会社)で働く人が多い。EU機関で継続して働くためには年に一度のEPSAという統一試験(一次試験の通過は全体の5%)をクリアしないといけないので、インターンからそのまま正規雇用になるのは原則的に難しい。ただし、欧州議会には議員秘書や政党スタッフという枠があってこれらには特に規制はない。次への「つなぎ」のため、ここを狙うインターン生は少なくない。
先週、欧州委員会で開催されたインターン生のためのジョブフェアーに参加した。朝から夕方まで企業や団体を招いての大きなイベント。人材派遣会社、コンサルタント、法律事務所、PR会社などの人事担当者がここで実際にCV(履歴書)などを見てアドバイスをくれる。また、同時に、別の会場では招かれたゲストがブリュッセルで仕事を見つけるための秘訣を披露する。
講演の目玉は、ブリュッセルで人脈作りの神(king of networker)といわれるフランク=シャルバ=ホフ(Frank Schalba-Hoth)。ドイツの緑の党を創設したカリスマ的な存在で、元欧州緑の党の議員としても知られる。最近ではブリュッセルで仕事を探す上で書かせない「電話帳」を出版、これは毎年更新されている。この業界では超有名人なのに、謙虚できさくで話しやすい。いわゆる日本でいう政治家というイメージからは対極の存在だ。欧州緑の党のドイツ緑の党の新年会にいったときに、日本人だというと、興味のありそうな人を見つけては紹介してくれた。新年会の会場に最後まで残って掃除や後片付けをしていた姿が記憶に残っている。
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ブリュッセルでの周りのシューカツを見ていると、シューカツは「バイト探し」の感覚に近いと感じる。だれも生涯に渡って一つの場所で働こうなんて微塵も思っていない。とにかく「つなぎ」として仕事を見つければ良いと思っている。ブリュッセルは、欧州エリートの集まる小さなコミュニティー、人材の入れ替わりが激しいだけに活気がある。ここで働いていればいわゆるエリート層との交流を楽しめるし、言語(主にフランス語)も学べる、自分が成長できる余地があると思うから低賃金でも気にならない。もちろん、この「バイト探し」がずっと続くと思うと、生活が安定しなくて神経がすり減りそうだが、30歳くらいまでなら楽しめそうな気がする。