先週の土曜日からゴッドランド島のビスビィーという町に来ている。毎年7月1日から一週間、ここで政治週間というイベントが開かれており、環境党の学生部の人達と一緒に参加しているからだ。首相や大臣を含めた政治家、政党はもちろんのこと、メディアやシンクタンク、経済団体、労働組合、NGOや市民団体などが参加し、朝から晩まで島の至る所でカンファレンスやセミナーが開催されている。
この 「政治祭」には、今年は1800を超えるセミナーやイベントが開催されており、去年の数字では一万4千人くらいが参加している。それぞれのイベントは1時間から2時間で、昨日だけで444ものイベントがあり、どこに行くかかを決めるだけで一苦労だ。日本のコミックマーケットに近い感覚かもしれない。大きい団体になると、ブレックファストからランチ、夜にはワインを出してくれるところもある。
また、この一週間は、夜の19時(まだ外は明るい!)から、8つの政党の党首が日替わりでスピーチを行なう。テレビは生放送で放映し、ジャーナリストや専門家が党首の演説の内容やレトリックなどを分析して評価する。初日は極右党党首、二日目は環境党の党首(女性の方)、三日目は穏健党の党首(首相)が演説を行った。
新聞を見る限り、極右党首の党首はレトリックはうまかったが、政策内容と予算の整合性がまるでかみ合っていないと酷評され、環境党の党首は演説の途中で気候変動問題の専門家をゲストに呼んで解説させるなどの試みがポジティブに受け入れられていたように思えるが、演説自体は「新しく買うよりも修理して使おう」というフレーズがださく、古い環境党のイメージを惹起させると辛口の評価だった(私的には、環境党の目指すビジョンを示し、未来思考で希望を感じさせるものだったし、かつ右派政権の弱点をレトリックを使い効果的につき、上手くやったように思えたのだが。ただ、原発のことに一切触れなかったことは残念だった)。
首相の演説は、市井の人々の話を具体的に紹介し、具体的な対処法を示すという説得力と安定感のある、ただ何かものたりないという印象を受けた。私には「仕事、雇用(jobjob)」という現実的な話ばかりで、目指すべきビジョンに欠け、希望を感じさせない演説だった。とはいうものの、きちんと政策があり、自分の言葉で訴えかける。こういうきちんとした演説を聞くと、日本の演説って何なんだと思う。福沢諭吉は日本の政治家を見て呆れていることだろう。
残りの5日間、他の党首の演説も楽しみだ。
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