ウプサラでの二日目の夜、ツアー参加者と、ウプサラ市の環境党の執行部/学生部でミーティングを行なった。ウプサラ市議会の方もたくさん参加してくれた。ミーティングでは、原発事故の後、福島や近隣の状況、また、日本の国民投票の動きについて参加者から話してもらった。
ツアー参加者の一人が、福島のいわき市の出身の方だったので、福島事故の経験について語ってもらった。地元の復興活動に参加し、福島をエコ先進都市として再生したいという思いを持っている方で、心の底から出てくる言葉に力があり、私も聞き入ってしまった。
これまでのエコツアーでは、スウェーデンに来てスウェーデンの取り組みを学ぶのが目的だったが、原発事故の後は、福島や日本で何が起こっているのか、日本側から伝えるということも必要になっている。海外の人にとっては、福島の原発のことがニュースに出ることも減り、あの後、何が起こっているのか、みんなよく知らない。あるスウェーデン人の参加者は話を聞いた後、「何万人がいきなり避難させられてずっと帰れないなんて」と驚いていた。
原発事故が、地元や近隣の町に、人々にどういう影響を与えたのか、将来にどういう影響が起こりうるのか(あるいは起こりえないのか)、いかに原発というものが危険なものだったのかー。私たちは、もっと世界に向けて発信していく義務があるだろう。福島で現実に起こってしまったことは、他の場所でも他の国でも起こりうることである。私は、日本は脱原発の方向を示し、フクシマの悲劇を繰り返さぬよう世界に訴えていくべきだと思う。
(ちなみに、先日、スウェーデンの原発自治体(オストハンマー)の政治家が「原発は200%安全」とTVのインタビューで言っていたが、さすがに笑った。スウェーデンの原発はヨーロッパのなかでも、事故やミスが多く、稼働率は最低の状態。今も10機のうち4つしか動いていない。この自治体の原発だって、2006年に事故を起こしている。フクシマ以後も、こんなプロパガンダを笑っていえるのだから、感覚が麻痺しているとしか思えない)。
今回の会合を通じて、スウェーデンの環境党(みどりの党)と、将来的にできる(はずの)日本の「みどりの党」がより協力していければうれしい。今回のツアーで知り合った方々ともネットワークができたし、都民投票/国民投票の動きもあるし、日本に来たいという青年部/学生部のメンバーもいるし、そうなったら、日本で色んなイベントが出来ると思う。
このツアーについて、ラジオや新聞、テレビでも報道されたようだ。テレビのニュースはこちら。上の地元新聞の見出しは「日本人、ウメオで、オルタナティブエネルギーについて学ぶ」。スウェーデン人から学ぶだけでなく、こちらからスウェーデン人にもインスピレーションを与えたはず。お互いに素晴らしいツアーになったと思う。
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