納豆ーうまいが一番

 れまでは、納豆を買わないようにしていた。何より値段が高いし、ストックホルムでしか手に入らないため、一度食べると、また食べたくなってストックホルムまでいかないといけなくなるからだ。
 ところが、先日、知り合いに納豆をもらった。前に「納豆が好き」と言ったのを覚えていて、持ってきてくれたのだ。しかも、「エコマークのついた新鮮な卵なら、生で食べても大丈夫」という。これは知らなかった。サルモレラ菌、こわいと怯えていたのに。早速、家に帰り、生卵と納豆とごはんで食べることにした。一年以上振りのあの味との感動的な再会である。生卵と納豆の、液体と粘り気の絶妙な組み合わせ、鰹節のタレとからしの、あのほんわかピリリとする香り。オイしい。おいしい。美味し過ぎる。
 私は悔やんだ。なぜ納豆を食べなかったのだろうかと。納豆の味は、私の身体に記憶されている。これを食べるだけでドーパミンがたくさん出るのに、ああ、1年分のドーパミンを無駄にしてしまった。しかし、今からでも遅くはない。これから納豆を食べよう。ストックホルムの日本食材店では、「うまいが一番」という納豆が売っている。4パック=32クローナ(約340円)。日本のスタンダードからすれば高いが、1パック110円だとすれば、コーヒーを一杯分我慢すればおつりがくる。32クローナで仕合せが買えるなら、安い出費だ。
 それから、私は週に4回納豆を食べているおかげで、幸せに暮らしている。

ぐし Gushi について

Currently working for a Japanese consulting firm providing professional business service. After finishing my graduate course at Uppsala University in Sweden (2013), I worked for the European Parliament in Brussels as a trainee and then continued working at a lobbying firm in Brussels(2015). After that I joined the Japan's Ministry of Foreign Affairs, working in a unit dedicating for the negotiations on EU-Japan's Economic Partnership Agreement (EPA/FTA) (-2018). 現在は民間コンサルティング会社で勤務。スウェーデンのウプサラ大学大学院政治行政学修士取得、欧州議会漁業委員会で研修生として勤務(-2013年3月)、ブリュッセルでEU政策や市場動向などを調査の仕事に従事した後(-2015年3月)、外務省で日EUのEPA交渉チームで勤務(-2018年3月)。連絡先:gushiken17@hotmail.com
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