けいおんで、デトックス

 ニメ「けいおん」がホットだ。このアニメを見ることで頭の中から「邪悪なもの」が洗い流されるような感覚を覚える。まさに癒し系、デトックスアニメである。最近、もっともお気に入りのアニメの一つである。
 ”K-ON”, a TV anime series, is very cool. This proves to be one of my favorite animations. By watching this animation, I feel like as if something dirty and evil were washed away from my body. “K-ON” can be one of the most healing-type or detoxicating animations.
 
 「けいおんってなんだ?」という方のために簡単に説明すると、TBS系列で火曜日の夜1時30分から放映されている学園アニメで、作品名からわかるように、軽音部に所属する女子高生たちの話である。ただし、特別にこれといったストーリーラインがあるわけではない。武道館でデビューを目的として活動を進めるのでもなく、ライバルたちがぶつかり合うことでドラマが演出されるわけでもない。主に登場人物たちの学校生活、軽音部の活動などの日常について、春、夏、秋、冬と時系列に沿って(ダラダラと)描写していく作品である。元ネタの原作が4コマ漫画であり、全体を貫くようなストーリーラインがないという点では、サザエさんと同じような日常生活系のジャンルといってよいだろう。
 ”K-ON” is usually categorized as “school type anime”. The story is that high school girls form light music band group and spend time chatting and practicing music together. What is special about this animation is that there is no specific story-line. The descriptions mainly focus on their daily lives and not necessarily on music performance. In most times, they have fika(tea) with cakes, chatting together about most trivial matters in their lives.
 さて、けいおんは見ることで心が洗われる、デトックスアニメだと述べた。けいおんの癒しの要素は大きく三つある。まず一つには、上で述べたように、全体を貫くストーリーラインがないがゆえにいわゆる「論理破綻」が無いという点だ。時系列的に淡々と進んでいくが、それぞれ一回完結型のエピソードなので、頭脳を働かせる必要もなくキャッチアップできる。時空を超えることもないし、新しいキャラクターも出てこないので、難しいことや複雑なことは一つもない。視聴者にイライラさせる余地を与えていないのである。
 What makes this anime healing and detoxicating? There can be three factors at work. First, as I mentioned above, the fact that there is no story line means that audiences can watch it without catching up with each episode with full understandings.
 二つ目の要素は、登場人物に「嫌な奴がいない」という点である。言い換えれば、すべてのキャラクターが、生まれたたての赤ちゃんの笑顔のような「完全な純真性」を体現している。まるで、自分のなかに「悪」という概念が存在したことがないため、他人のなかに「悪」があるということが想像も出来ないかのようなキャラである。なかんずく、主人公のゆい、妹のういは、キラキラと輝く天使のような存在にまで「純度」が高められている(シーズン1のクリスマスの回は、まさにそれを象徴している)。
 Second, no single character in this anime is described as evil or bad. In other word, all the characters embody a sense of “perfect innocence”, the kind of impression that you can get from a newly born baby. All these characters seem never to have imagined that there is such a thing as evil person in this world. Yui and Ui, two of the main characters, particularly look like angels type, embodying only the element of an innocence in human-being.
 三つ目の要素は、男性キャラクターが全く出てこないという点である。学園アニメであれば、男女の恋愛話は出てくるのが必然である。そうでなければ逆に違和感を覚えてしまうだろう。でも、ここにはそういう色めいた話の片鱗さえ出てこない(一度だけ勘違いのエピソードがあるけど)。女の子の秘密の花園を覗き見しているような感覚を与えることが大事なのであり、そこにリアルの男が出てきてしまえば、この汚れなき空間のバランスが壊れてしまうだろう。
 Third, no boys and men appear in this animation. There is the premise that “school anime” should include an element of romance between boy and girl as one of the main driving force of its story. This animation, however, completely exclude the presence of boy and men. What is important is to give to audiences the sense that you are peeping into “the girls secret gardens”. This holy, purified world could collapse if boy’s character were to appear in this animation.
 また、けいおんには、「大人的な要素」が強引に排除されている。それぞれの登場人物の家に行っても、父親も母親も出てこない。天真爛漫な「子供たち」だけが住む世界である。「大人」として登場する担任のさわこ先生ですら、アニメの中では「子供」として描かれている。彼女は生徒たちと一緒に、軽音の部室でお菓子とお茶を食べて楽しんでいるのである。
 
 In the similar way, “adult character” never appears in this anime. Indeed, there are no signs of father and mother whenever main characters visit one of friends house. This is a pure world consisting only by pure children. Although Sawako, a teacher in the anime, is an adult character, she should be interpreted as child. All she does in is to eat sweets and chat with children over most trivial matters in music room.
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 彼らはすでに高校生のはずなのに、この世には邪悪な人達が存在しているということに気づいていないし、考えたこともない、そして、今だに赤ちゃんの生まれたままのような純真さを持ち続けている、これはよく考えると、どうなのだろうかと改めて思う。これはただ、大人になりたくないという「現実逃避」の「心理」を利用しているだけとも考えられる。
 このアニメは「現実」という窮屈な檻の中にしがみ付いている「大人」を批判している。本来的に備わっているはずの「優しさ」や「純粋さ」を捨て去ることが大人になるということならば、そんな「大人」にはならなくてもいい。頭が良い人よりも、お金が稼げる人よりも、空気が読める人よりも、ただ純粋で優しい子供の心を持っている人がいい。そういう人間が集まってワイワイしていたら、それだけで楽しい人生を送ることができる−。でも、彼らはいつか大人にならないといけない。お金も稼がないといけない。
 子供の幸福な期間はいつまで続くのだろうか? 

ぐし について

スウェーデンのウプサラ大学大学院政治行政学修士取得、欧州議会漁業委員会で研修生として勤務後(-2013年3月)、ブリュッセルでEU政策や市場動向などを調査の仕事に従事。2014年11月から慶應大学のEUSI研究員。千葉市まちづくり未来研究員(自転車政策)。NPO Rights副代表理事として若者政策(主に若者参画)の提言や分析を行う。連絡先:gushiken17@hotmail.com
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けいおんで、デトックス への4件のフィードバック

  1. えふたか より:

    おぐすがまさかの「けいおん」ネタとは笑
    なんというか、「ただただ可愛い女の子たちがわいわいやってんの見てんのが何か楽しい」の感覚を突き詰めたようなアニメだよね。

  2. おぐし より:

    えふたかさん
    けいおんを見たあとは、体中の疲労とストレスがどこかに飛んでいくようで、最高の癒しです。お疲れの新入社員の皆々様方には、けいおんの視聴をお勧めしたい。笑。

  3. 近頃連絡をとっていないと思ってHPを訪れてみたら大学院に受かっていたようで、おめでとう。
    しかし日本を発つのが8月中旬とはちと早いな。しまったしまった。
    また連絡するから、スウェーデンに発つ前に一度飯でも悔いませう。
    それでは、また
    しかし「けいおん」は甲なもので非常に良いが、モノのついでに「苺ましまろ」も見ておくことをおすすめする。
    あれの2話、6話、11話の神戸守演出回は乙なものであるよ。

  4. おぐし より:

    あきぽったー氏
    連絡ありがとうございます。コミケには行けそうになかったので、出発前に会うことができそうで、よかったです。アニメ市場の調査の報告書とともに、楽しみにしています(^^)
    けいおんはすごいですね。けいおんのDVDは将来的にはそろえなければならんと久しぶりに思いましたね。苺ましまろは早速チェックしてみます! 

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