日本に帰国して早くも一週間半が経過した。帰国後は日本の雰囲気に馴染めなかったり適応できなかったりするかと思っていたのだが、意外にもそんなことはなかった。おそらくスウェーデン留学が終わったあと、フィンランドのプログラムを含めてほとんどの日々を奔走していたからであろう。
牧歌的なスウェーデンのウプサラからそのまま日本へと戻っていたら、スピード感に溢れる生活についていけたかどうか心もとないが、つねに忙しなく動きまわっていたヨーロッパ旅行から、毎日を電車で長距離を行き来する日本の忙しない生活に戻ったことで、断絶を経験することなく、今まで自分がいたまさにその場所へスッポリとハマった感じがする。
帰国後は、日本の文学シリーズを片っ端から読み漁ったり、日本に来ている留学生たちに会ったり、いまは社会人となってしまった旧友たちとご飯食べてお酒を交わしたりして過ごしている(意外と忙しいのである。ふふふ)。そして昔の友人たちからは「あんまり変わっていないね」といわれては少しガッカリしたフリをしてやり過ごしているのであるが、今回ばかりはまったく気にならない。自分の内なる成長を自分が一番実感して噛み締めているからである。
最も見えやすい例をあげるとすれば、外国人とのコミュニケーションであろうか。
いまの日本の生活ですら、一週間に会って話すうちの半分くらいが外国人になってしまった。びっくりするほどの大きな変化である。実際、去年までの自分では考えられなかった世界観、そして生活世界の変容である。スウェーデンの前までは英語がほとんど使えるレベルに無かったこともあり、外国人と会って話をすることに少なくない苦痛を感じていた。自分から進んで外国人たちと付き合うことは無かったし、むしろ避けてすらいたかもしれない。
今回、帰国後すぐにしたことは海外からの留学生たちとのコンタクトだった。これからも英語力を継続して伸ばしていくためにも、彼らは最適なコミュニケーションのお相手である(まあそもそも僕の同期の多くは卒業している)。大学の国際センターに「交換留学生のなかで友人を探している人がいたらぜひメールください」というメールを送って留学生たちに転送してもらったところ、すでに10人以上から返信をもらった。今はとりあえず一対一で会って話をして、気の合うような仲間を見つけてはネットワークを広げているところである。
勤勉な外国人の面々と話すことは面白い。まずもって、外国語の勉強にもなる。英会話(やスウェーデン語)の勉強になると考えれば功利的な視点からもお得である。でも、功利的な理由だけではない。それ以上に、彼らとのコミュニケーション自体が楽しい。
とくに一部の外国人の多くは日本の文学や映画、歴史についてもよく勉強している。そして彼らは日本のことを隅々まで知りたいと思い、日本に留学している。質問もよくしてくれるしメモもとってくれる。貪欲に真剣に耳を向けてくれる彼らに対して、日本のあれこれについてアドバイスしたり教えたりすることはやはり純粋に楽しい。大げさかもしれないが、自分の存在が何か国を超えて大きな利益に繋がっているという感覚さえ覚える。お互いがお互いに学びの可能性に開けているという関係性は、僕にとってはやはり大きな魅力である。
-
最近の投稿
カテゴリー
- つぶやき・殴り書き (65)
- スウェーデン (125)
- スウェーデン(その他) (70)
- スウェーデン(政治・社会) (54)
- スウェーデン(旅行) (9)
- フィンランド (15)
- ベルギー (5)
- EU (59)
- EU Environment (9)
- EU TRADE (11)
- 英国離脱 (14)
- 自分事 (25)
- 評論・書評・感想 (43)
- 告知 (22)
- 政治参加・投票率・若者政策 (34)
- 旅行(全般) (29)
- 時事ネタ (14)
- 未分類 (8)
- 体験ツアー報告 (31)
Twitter アップデート
toshihikoogushi のツイートアーカイブ
- 2017年1月 (1)
- 2016年8月 (1)
- 2016年6月 (9)
- 2016年5月 (3)
- 2016年4月 (4)
- 2016年3月 (1)
- 2016年1月 (1)
- 2015年6月 (1)
- 2015年5月 (3)
- 2015年1月 (1)
- 2014年12月 (2)
- 2014年11月 (1)
- 2014年8月 (1)
- 2014年7月 (2)
- 2014年6月 (1)
- 2014年5月 (3)
- 2014年3月 (2)
- 2014年2月 (2)
- 2014年1月 (3)
- 2013年12月 (2)
- 2013年11月 (5)
- 2013年10月 (6)
- 2013年5月 (2)
- 2013年2月 (6)
- 2013年1月 (3)
- 2012年12月 (1)
- 2012年11月 (1)
- 2012年10月 (4)
- 2012年9月 (6)
- 2012年8月 (5)
- 2012年7月 (4)
- 2012年6月 (2)
- 2012年5月 (7)
- 2012年4月 (4)
- 2012年3月 (2)
- 2012年2月 (5)
- 2012年1月 (3)
- 2011年12月 (3)
- 2011年11月 (4)
- 2011年10月 (5)
- 2011年8月 (2)
- 2011年7月 (4)
- 2011年6月 (1)
- 2011年4月 (2)
- 2011年2月 (5)
- 2011年1月 (3)
- 2010年12月 (3)
- 2010年11月 (1)
- 2010年10月 (2)
- 2010年9月 (4)
- 2010年8月 (9)
- 2010年7月 (3)
- 2010年6月 (1)
- 2010年5月 (2)
- 2010年3月 (3)
- 2010年1月 (3)
- 2009年12月 (2)
- 2009年11月 (2)
- 2009年10月 (2)
- 2009年9月 (8)
- 2009年8月 (9)
- 2009年7月 (6)
- 2009年6月 (5)
- 2009年5月 (4)
- 2009年4月 (3)
- 2009年3月 (5)
- 2009年2月 (2)
- 2009年1月 (9)
- 2008年12月 (16)
- 2008年11月 (7)
- 2008年10月 (8)
- 2008年9月 (7)
- 2008年8月 (5)
- 2008年7月 (7)
- 2008年6月 (6)
- 2008年5月 (6)
- 2008年4月 (5)
- 2008年3月 (3)
- 2008年2月 (7)
- 2008年1月 (5)
- 2007年12月 (4)
- 2007年11月 (2)
- 2007年10月 (1)
- 2007年9月 (3)
- 2007年8月 (1)
- 2007年7月 (4)
- 2007年6月 (2)
- 2007年5月 (6)
- 2007年4月 (5)
- 2007年3月 (5)
- 2007年2月 (7)
- 2007年1月 (13)
- 2006年12月 (10)
メタ情報
初めまして。現在スウェーデン在住のものです。こちらで大学に移行かどうか迷っていて、Googleで情報集めをしようとしたところ、たどり着き拝見させていただきました。
Uppsala大学は私も1学期だけですが行きました。いい所ですよね、田舎過ぎず、都会過ぎず、のどかで。
1年という短い限られた時間の中でも、随分密の濃い生活をされていたようですね。頭が下がります(私はのんびりと暮らしているので)。経験は一生の財産ですものね。スウェーデン語の先生が言っていました、経験と知識は私だけのもの、一生の財産、誰にも奪うことが出来ないのって。本当にそうですよね。
日本に帰国されて間もないようですが、テンポの違いに戸惑いますよね。スウェーデンでの経験を大切になさってくださいね。
りえさん
コメント下さり、ありがとうございます。スウェーデンはもう雪が降ったらしいですが、寒いですか?私はこっちに帰ってきてからは時間の進み具合が早くて早くて…。スケジュールを前もって決めないと自分のやりたいことができないです。ブログの更新もなかなか進みません。笑。
スウェーデンにはまた近いうちか遠いうちに戻りたいと考えていますので、そのときはお会いできること楽しみにしております。スウェーデンの大学の進学も、頑張ってください。