今日でウプサラでの授業がすべて終わった。正直、かなり辛かった。スウェーデンに来て初めて鬱っぽい症状が発症した。この5月はレクチャーもセミナーもなかった。自分で決めたテーマについてただひたすら自分で論文を書き進めるだけだった。一つのことに集中できる環境は本当に素晴らしいのだが、逆にこういう環境だからこそ出来の良い論文を書かなねばならないというプレッシャーが強い。グループでもないたった一人の個人の論文で、しかも時間もたくさんある。ここで良いものが書けなければそれはもう全部丸ごとにひっくるめて、自分の能力が無いということである。
こっちに来てから改めて自分は学者的な人間ではないと痛感した。まあそんなことは日本にいるときから分かっていたけど。一つのことに集中できない。面白いことを見つけるとすぐにそっちに目が移る。すぐに大学の外に出てしまう。コラムニストの小田嶋隆さんが「才能とは、ある意味、継続して続けることのできる能力のこと」と書いていたがが、その通りである。まさにその通りである。なぜ私が良い論文が書けないのか―それは簡単なことで、継続して続けることができないからである。本を読むことなら大好きなのでいくらでも続けることができる。しかし、それを西洋風に抜き出してまとめて自分なりの視点を織り交ぜて、ある程度の量の論文にまとめるという作業ができない。もう絶望的に。
そしてなぜ私がそれほど集中できなかったかといえば、それはYOUTUBEというパンドラの箱を開けてしまったからである。これまで自粛して之だけには触れまいと努力をしてきたのだが、5月は時間が有り余っていたのでつい手が伸びてしまった。YOUTUBEというのは本当にすごいもので、アニメや音楽などはほぼ無尽蔵のように手に入る。アニメを見始めると、もう止まらない。鬱の状態で見始めるので夜中になっても止められない。朝の四時くらいに寝ることになるので翌朝10時とかに起きて「あーまたやってしまった」となってさらに鬱になる。鬱になるからさらに作業が進まない。英語の表現がわからずムシャクシャして、YOUTUBEの中に逃避しちゃうと、もう止められない止まらない。
うむ。これ以上書くとバカみたいなので止めるが、これは重大である。日本から海外に留学した学生の統計を取ると、かなりの数が日本のアニメを見まくっているはずである。その国や大学にもよるが、ヨーロッパの大学は比較的にゆったりしているので割と暇がある。だからひょんなことで引き込まれると少し鬱る。モラトリアム気分で来ている人にはあまりダメージはないかもしれないが、ストイックな自分が大好きという人間にとってはこれ以上見たくない現実はない。「スウェーデンに来てまでなぜ俺は日本のアニメを見ているのだろうか」と。まさに鬱である。(注意・決してアニメが見てはいけないものというわけではない。逆に面白すぎるから問題なのである)
というわけで、リフレッシュのために4日からGotlandという島に旅行に行くことにした。Gotlandはスウェーデンの夏のリゾート地で、ビーチがある。3日間、ビーチで寝転がりながら本でも読んで適当に過ごしたいと思う。これで鬱ともおさらばである。やっほー!!
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先輩、お疲れ様です!僕はもう先月シンガポールから帰国したんですけど、今思い返すとラスト2ヶ月ぐらいの精神状態はやばかったですね。日本はストレスが少なくて過ごしやすいです。
僕は授業でプレゼンするとチューターによく怒られて、何でかなと考えたら、おそらく裏づけをちゃんとしないでものを言う癖があるみたいです。価値判断が「面白いか面白くないか」しかないんで、「出典がなくても興味深い意見を言えればええやん」という姿勢でついついやっちゃうんですが、そういうのは「アカデミックではない」から大学的にはNGなんですね。そういうのでつくづく「自分は学問には向かない人間なんだなあ」と思いました。
海外の大学だと注の付け方とかBibliographyの書き方にうるさいですけど、先輩は慣れましたか?僕は結局最後まで面倒でしょうがなかったです。
ひとつ ふたつ、、、、
欝のようには感じませんが ただ ちょっと自己嫌悪に陥っているだけですよ
創造主が与える、、、克服できる人に対してのある時期の試練ですよ~~~
日本にいても、、、、、おなじでは?!#$%
それを 異国で感じることにも、、、、意味があるかも???
>「才能とは、ある意味、継続して続けることのできる能力のこと」
これは 1日、2日、、、、1ヶ月、2ヶ月、、、、1年、2年より、、、もっと長いサイクルなのではないでしょうか~~~~~?!
数年前 1年間 ソウル大学で語学研修<仕事の為>を受けたことがあり その頃 いろいろな大学の学生が学部、大学院に留学、交換学生のみなさんとよく話をする機会がありましたが 皆さん いろいろな問題に、、、? 出会っていることを、、、
貴方のところの大学院生とも、、数人、、
ある一人の彼は、、、、とってもいい出逢いを、、、、
私も若い頃に、、、、と 羨ましく、、、
でも そのとき、、、いや 今来てることに、、、喜びを感じて いい時間を過すよう、、、心がけました
カナダ、ソウル、、、、、10年くらい、、、いま 東京におりますが、、、
亜時間、亜空間<このような単語があれば?>だったと いうことにならないように いい時間をお過ごしください
PC、、、は 本当に 世界を狭くしてしまいましたね~~~^
毎日 恐れず、怒らず、悲しまず、、、、
そして 面白おかしく、たのしい、、、、、、4日間の時を過してください、、、
ちょっとした ロマンが ありますように~~~~~~~~
こんにちは(^o^)元気になりましたか?お久しぶりです。心に元気がないと、お会いしたことのない者でも心配になりますよ(^^ゞ
私の親友も去年博士論文を書けないと言っていました。
そんな時もあります。なんとなく順調に人生がいっている時ほど、きちんと壁にぶつかるものかなと。キリスト教の国の方は前に進むことに重点を置きがちですが、ほんの少しだけ後ろに進んでも良いのではないでしょうか?
意外に頑張らないということも自分に勇気のいることです。コツコツ真面目にやる方が意外に楽なことかもしれません。
人間なんだから多少の得手不得手あるのは当然。その中で試行錯誤し工夫して、くぐり抜けていくのも素敵だと思います。
あなたの素敵な良いところを忘れずに、無駄なものなど何ひとつありませんよ(^-^)/~~
>クマ氏
あれま。もう日本に帰国したのか。お疲れです。お風呂に入って美味いもの食べて村上春樹の新作!でも読んでゆっくり休んでください。僕が帰国したらぜひぜひ海外トークしましょう。
こっちの人文科学の学問は厳しくて少しへこみましたね。日本のときは議論も何となく曖昧な感じだったけど、こっちではしっかり「科学的」に(振舞って)やりますから。そうそう。自分の視点が面白いか面白くないかっていうのは僕の中にもずっとあって、むしろそれがゆえに辛かったのかもしれない。今回書いていた論文は新しい発見や視点は一つもなくてツマラナイものだとわかっているけどでも最後までまとめないといけないという地獄。日本語でまとめるのだったらそれなりに文章とかを装飾して楽しいかもしれないけど、英語だしね。笑。といっても、もともとこういう論文科目は論文の型を覚えるためだけにやらせるらしいし、注とか参照を徹底的に覚えるという点では有効だったかもしれないなと思う。
>公孫樹さん
鬱というのはもちろん誇張しちゃっています。笑。継続できる才能とはまさにおっしゃるとおり一年二年よりもっと長い期間のことかもしれませんね。これからもコツコツ粘り強く頑張りたいと思います。コメントありがとうございます。
>はまちゃんさん
>意外に頑張らないということも自分に勇気のいることです。
そうですね。頑張らないことは難しいですね。人間性そのものを考え直さないといけないかもしれません。笑。僕の場合はメリハリをつけて対処するしかないなと思うようになりました。いきなり突然手を抜いてしまうと何だかサボっている感じで嫌な気分になりますが、事前に計画を立てて頑張らない日を作っておけば心おきなくのんびりできます。計画性を大事に残りの期間を過ごしていこうと思います。
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