木曜ドラマのラストフレンズが面白過ぎる。みちる(長澤まさみ)、けいた(瑛太)、ルカ(上野樹里)の3人が、「DV男」のそうすけ(錦戸亮)を交錯させながら、それぞれのトラウマを引きづりだし、ぶつけ合い、乗り越えていくストーリーである。
このドラマの卓抜性は、脚本や音楽とともに、サスペンスを亢進させるカメラワークにある。登場人物を映すカメラワークが、常に「誰かの視線」に同調する形で描かれる。例えば、みちるがけいたと仲良く二人で話をしているシーンを考えればよい。二人が話をしている当の場面を眺めているのは誰なのだろうか。このドラマでは、その「視線の主体」を明らかにはしない。
だからこそ、そうして「宙吊り」の状態に置かれた視聴者は、「DVのそうすけが、みちるたちを監視しているのではないか」と思ってしまう。ここが重要な点である。逃げるみちるをどこまでも執拗に追いかける、そうすけ。その「狂気的な存在感」が、視聴者の脳裏に埋め込まれることで、視聴者はそうすけの「目」を意識して見ざるをえなくなる。
狂気のそうすけ。この存在を単なる「邪悪」な人間としてのみ描いていない点も、評価したい。DV男という「怪物」である一方、孤独で、どこか弱々しく、哀しげでもある。今日の放送では、そうすけが最後に自殺を図ったという設定になっているようだが、彼の苦悩やトラウマをどのように描いていくのか、他の三人の過去をどのように清算して、未来へとつなげていくのか、最終回が楽しみだ。
-
最近の投稿
カテゴリー
- つぶやき・殴り書き (65)
- スウェーデン (125)
- スウェーデン(その他) (70)
- スウェーデン(政治・社会) (54)
- スウェーデン(旅行) (9)
- フィンランド (15)
- ベルギー (5)
- EU (59)
- EU Environment (9)
- EU TRADE (11)
- 英国離脱 (14)
- 自分事 (25)
- 評論・書評・感想 (43)
- 告知 (22)
- 政治参加・投票率・若者政策 (34)
- 旅行(全般) (29)
- 時事ネタ (14)
- 未分類 (8)
- 体験ツアー報告 (31)
Twitter アップデート
toshihikoogushi のツイートアーカイブ
- 2017年1月 (1)
- 2016年8月 (1)
- 2016年6月 (9)
- 2016年5月 (3)
- 2016年4月 (4)
- 2016年3月 (1)
- 2016年1月 (1)
- 2015年6月 (1)
- 2015年5月 (3)
- 2015年1月 (1)
- 2014年12月 (2)
- 2014年11月 (1)
- 2014年8月 (1)
- 2014年7月 (2)
- 2014年6月 (1)
- 2014年5月 (3)
- 2014年3月 (2)
- 2014年2月 (2)
- 2014年1月 (3)
- 2013年12月 (2)
- 2013年11月 (5)
- 2013年10月 (6)
- 2013年5月 (2)
- 2013年2月 (6)
- 2013年1月 (3)
- 2012年12月 (1)
- 2012年11月 (1)
- 2012年10月 (4)
- 2012年9月 (6)
- 2012年8月 (5)
- 2012年7月 (4)
- 2012年6月 (2)
- 2012年5月 (7)
- 2012年4月 (4)
- 2012年3月 (2)
- 2012年2月 (5)
- 2012年1月 (3)
- 2011年12月 (3)
- 2011年11月 (4)
- 2011年10月 (5)
- 2011年8月 (2)
- 2011年7月 (4)
- 2011年6月 (1)
- 2011年4月 (2)
- 2011年2月 (5)
- 2011年1月 (3)
- 2010年12月 (3)
- 2010年11月 (1)
- 2010年10月 (2)
- 2010年9月 (4)
- 2010年8月 (9)
- 2010年7月 (3)
- 2010年6月 (1)
- 2010年5月 (2)
- 2010年3月 (3)
- 2010年1月 (3)
- 2009年12月 (2)
- 2009年11月 (2)
- 2009年10月 (2)
- 2009年9月 (8)
- 2009年8月 (9)
- 2009年7月 (6)
- 2009年6月 (5)
- 2009年5月 (4)
- 2009年4月 (3)
- 2009年3月 (5)
- 2009年2月 (2)
- 2009年1月 (9)
- 2008年12月 (16)
- 2008年11月 (7)
- 2008年10月 (8)
- 2008年9月 (7)
- 2008年8月 (5)
- 2008年7月 (7)
- 2008年6月 (6)
- 2008年5月 (6)
- 2008年4月 (5)
- 2008年3月 (3)
- 2008年2月 (7)
- 2008年1月 (5)
- 2007年12月 (4)
- 2007年11月 (2)
- 2007年10月 (1)
- 2007年9月 (3)
- 2007年8月 (1)
- 2007年7月 (4)
- 2007年6月 (2)
- 2007年5月 (6)
- 2007年4月 (5)
- 2007年3月 (5)
- 2007年2月 (7)
- 2007年1月 (13)
- 2006年12月 (10)
メタ情報
ラストフレンズ面白いですよね。
昨日が最終回だと信じて見ていたので、かなり拍子抜けしました。
最終回が非常に気になります。
けいたではなく、タケルですww
さすが小串先輩の分析ですね、納得してしまいました。
最終回も楽しみです!
タケルですね。
さすが大奥の脚本家!
しぃちゃん
俺も昨日最終回だと思ってた。。。
まさかそうすけが自殺するとは!!びっくりこいた!!
最終回は全く予想がつかないから、余計に楽しみです☆
KEIちゃん
しまった、間違えたww
書いてて違和感あったんだよな。
分析っていうか単なる感想だけどね。笑。
でもカメラワークは、ほんとに怖かったわ。
音楽も効果的に使われてて(宇多田の曲合いすぎ!)
途中からしか見ていないから、たけるの姉とか、ルカの家族とか、そうすけの過去とか、一体どうなってるのかわからないのがつらいけど、
「ナゾ」が多くて「意味不明」な作品は、好きです。笑。
ぴぃちゃん
なるほど、大奥の脚本家か。
って、大奥見てないんだけどね。
機会があればチェックしたいっすね。