メディアとジャーナリズムの違い

 ちの大学に某Y新聞の社長が講演会にやってきた。お題目は「メディアとジャーナリズムの違い」。…あまり乗り気ではなかったが、いちお研究所の先輩だったので、聞きに行った。
 テーマの「メディアとジャーナリズム」の違いについては、いたって普通だった。
 メディアとはあくまで「媒介」であり、「伝達手段」であり、「伝送路」である。それは別に新聞でもテレビでもネットでも変わらない。情報を伝えるための「乗り物」に過ぎないからだ(もちろん、乗り物によって伝え方や伝わり方はまったく異なってしまうけれど)。
 一方、ジャーナリズムとは、何を伝えるべきか伝えないべきかを峻別する機能・機構である。社会で起こる出来事すべてを伝えることができない。しかも「伝送路」(新聞・テレビ)から伝えられる情報は限られている。だから公共性のある重要事項を選別・取材・編集して、お茶の間に届けるのである。
 つまり、メディアは乗り物であり、ジャーナリズムはその中身と質を担保していて、「公共性を担っているのだと。(→だからうちらは偉いんだぞと笑)。
 彼は、このような原則論を述べたうえで、大学の研究機関について言及した。
 「伝送路についての多様なメディア研究は数多くなされているが、ジャーナリズムの中身と質についての研究が少ないように思える。何を報じるべきか報じないべきかの中身の研究を増やすべきだ」と。
 ふむふむ。これはたしかにその通りであろう。
 うちの大学もメディアの多様化に伴い、新聞研究所から、メディアコミュニケーション研究所へと変わった。研究の軸は、メディアの産業論とか、クリエイティブ産業がどうのとかに移っている。事実として、相対的にジャーナリズムの中身や質、ニュースの質に対する関心が減っている。
 だが、メディアもっともっと批判的に見るための徹底した言説研究も同時並行的に行うべきだろう。さもないとジャーナリズム機能がめちゃめちゃになってしまう…そんな気がする。(続く)。
 

ぐし Gushi について

Currently working for a Japanese consulting firm providing professional business service. After finishing my graduate course at Uppsala University in Sweden (2013), I worked for the European Parliament in Brussels as a trainee and then continued working at a lobbying firm in Brussels(2015). After that I joined the Japan's Ministry of Foreign Affairs, working in a unit dedicating for the negotiations on EU-Japan's Economic Partnership Agreement (EPA/FTA) (-2018). 現在は民間コンサルティング会社で勤務。スウェーデンのウプサラ大学大学院政治行政学修士取得、欧州議会漁業委員会で研修生として勤務(-2013年3月)、ブリュッセルでEU政策や市場動向などを調査の仕事に従事した後(-2015年3月)、外務省で日EUのEPA交渉チームで勤務(-2018年3月)。連絡先:gushiken17@hotmail.com
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