走れAMAワゴン―出前授業編

 『若い大学生との交流によって島を盛り立てよう』―そんな思いから生まれた「(隠岐島)海士ワゴン」。東京からバスは12時間、フェリーは三時間の旅路を経て、若さと活気に溢れる大学生(及び社会人)を連れてやってくる。その内容は、離島の海士中学校で「出前授業」を行い、地域の活性化・ブランド化について考え、島に貢献すること。今回の海士ワゴンはGWを利用した、企画第6回目。その様子を「出前授業」と「パンフ作り」の二つに分けて詳しく報告したい。
× × × × ×   
   皆さんにはラジオ番組を作ってもらいます
 出前授業の講師である、『コトバノアトリエ』(NPO法人)代表の山本繁さんが、全校集会でそう説明すると、生徒たちから驚きの声が上がった。「ラジオってどうやって作るの?」。そんな好奇心に溢れる表情の海士中学校の生徒たち(1学年が20人強)。そして彼らを囲みながら、期待と不安に胸を膨らませる、僕ら大学生たち(10人ほど)。
 ラジオ番組のテーマは「人間関係」。全国の中学生を仮想リスナーとして、同年代の学生が気になったり悩んだりしそうなことについて話し合う。それをラジオ原稿に落とし込み収録することで、『人間関係』についての理解を深めようという狙いだ。  
 山本さんは、「中学生の頃って、何かあるとすぐ『ムカツク』とか『ウザイ』とか簡単な一言で済ませちゃったりしますよね。でも、じゃあ『何でムカツクのだろう、どうしてウザイのだろう』とか、あともう一歩踏み込んだ深いコミュニケーションができないでいるように思います。今回は少しでもそういう思考を経験してもらえれば…」と、ラジオ作りのコンセプトを語る。
              
 
 際にラジオ作りが始まる。4人ほどのメンバーに分かれ、少人数で、『人間関係について気になっていること』を話し合う。そして、互いに顔を向かい合わせながら、浮かんだアイデアを紙に書き込んでいく。たとえば、「親が進路について口を出してくる」「先輩に敬語を使いたくない」「女子が一緒にトイレに行くことが謎だ」―などなど、突っ込めば突っ込むほど出てくる愚痴や疑問のオンパレード。僕らメンバーたちはそれについて深く掘り下げようと次のように問いかける。
 じゃあ、なんで先輩に敬語を使いたくないのかな?(生徒)「う-ん何か嫌なの」。何かってなによ?(生徒)「何かって、何かだよ」。何か関係が硬くなるとか、ギコチナイとかそういうこと?「…そういうこと、かも。とにかく何か嫌なの」。…生徒たちに「なぜ」を考えてもらおうと試みるが、正面から直球で尋ねても、やはりなかなか難しい。質問の仕方を工夫し、生徒との距離を縮めながら、徐々にコミュニケーションを深めていくのである。
               
 中盤に入り、視聴者からの相談ハガキの作成を始める。質問の内容を決めて、ハガキに対する回答を考える。このようにラジオ内容を作っていく。(ハガキ――『こんにちは、僕はいま、彼女ができなくて困っています。どうすればいいでしょうか。教えてください』という相談内容を決定してから、その恋愛についての悩みや解決策をみんなに考えてもらうのである)。
 
 そして、最後の山場は収録の作業だった。マイクを片手に緊張する生徒、何度も原稿を確認する女子。逆に、ここぞとばかりにはしゃぐ男子――そんな慌しい状況の下、すべてのグループが作品を完成させた。グループの中にはBGMの音楽を効果的に使ったり、原稿にはないアドリブの台詞を取り入れたりしていたところもあった。それまで意識していなかった才能を開花した生徒もいて、びっくりした。
        
     ● ● ● ● 
 出前授業が終わったあと、生徒が書いてくれた感想を読むと――「最高に楽しかった」「今までやったことのない経験ができて楽しかった」など、ほとんどの生徒が満足してくれていたようだった。その中で、「次は、自分たちでラジオ番組を作ってみたい」という感想を読んだときは、本当に嬉しかった。
 この出前授業・ラジオ作りを契機として、「何かを作り上げることって楽しい」「もっと面白い作品を作りたい」という思いが、生徒から出てきてくれたら何よりも嬉しい。本当に大きい収穫だと思う。短い関わり合いのなか、少しでも刺激なるものを与えられたならば、それにまさる喜びはない。あとは、彼らの中で芽生えた自発性を、中学校や地域の人達に継続的に育んでいって欲しいと強く思う。そして、次の海士(そして日本)を背負って立つ、骨太な人材が出てくることを願ってやまない。

ぐし について

スウェーデンのウプサラ大学大学院政治行政学修士取得、欧州議会漁業委員会で研修生として勤務後(-2013年3月)、ブリュッセルでEU政策や市場動向などを調査の仕事に従事。2014年11月から慶應大学のEUSI研究員。千葉市まちづくり未来研究員(自転車政策)。NPO Rights副代表理事として若者政策(主に若者参画)の提言や分析を行う。連絡先:gushiken17@hotmail.com
カテゴリー: 体験ツアー報告 パーマリンク

走れAMAワゴン―出前授業編 への3件のフィードバック

  1. プリマエース・松蓬

    腰痛、関節痛等でお悩みの方にお勧めのサプリメント!飲むタイプと塗るタイプがございますのでお試しください。

  2. ワゴンr ct より:

    ワゴンr ctについて

    ワゴンr ctの人気の秘密は、高い背と座面にあります。ワゴンr ctはスズキが生産している軽自動車です。ワゴンrの排気量は660で、軽自動車というと、室内が狭いという弱点がありました。その弱点をワゴンr ctは見事に克服しました。背を高く取ることで、室内が狭いというイメージを払拭しました。それだけではなく、ワゴンr ctは、アルトやセルボモードをベースにしながら、アンダーフロアを二重構造にして座面も高く取っています。ワゴンr ctの良さは、足を窮屈に曲げずに座れるというところ…

  3. ワゴンr ct より:

    ワゴンr ctのこと

    ワゴンr ctのことについて調べていたら、ctというのは、初代(1993-1998年)モデルの型式、CT21S/CV21S/CT51S/CV51S だということがわかりました。1993年9月 初代ワゴンr ctが発売され、当初は全車F6A型3気筒EPIエンジン(SOHC12バルブ)のみであったが、1995年2月に、F6A型3気筒インタークーラーターボエンジン(SOHC6バルブ)を搭載するワゴンr RT-Sを追加しました。1995年10月には、ホイールのPCDが全車114.3…

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中