ブラッドダイヤモンド

 映画を見た。予想をはるかに上回る出来だったのでここに簡単に記す。
                       
 ブラッドダイヤモンドとは、字面の通り、血塗られたダイヤのことだ。紛争地域において、バイヤーはダイヤと引き換えに、反体制に武器を与える。そしてダイヤのために殺戮は継続され、紛争は長引く。
 
 この状況を映像で見た人々は「かわいそう」と嘆き悲しむであろう。だが、バイやーのディカプリオ君は仏頂面を鼻にかけて、「なぜバイヤーがいるのかと言えば、それは需要があるからだ。裕福な人たちが、こぞって買い占め、普通の人が三ヶ月分の給料をはたいてまで買おうとするからだ」と返す。
 こんなディカプリオ君が、ある女性人権派ジャーナリストや息子を反政府軍に奪われたアフリカ人の男性と出会うことで、少しずつ考え方に変化が生じる。
 初めは、超弩級のダイヤを隠し持っている男性からダイヤを奪おうと企んでいたディカプリオ君であるが、彼らと関わっていくうちに、「なぜ自分はダイヤなどちっぽけなものを命を賭してまで得なければならないのか」という根本的な疑問が自分の頭の中に生まれ、それを上手く整理・消化できなくなる。
 人間がゴミのように死んでいくのが日常の風景となっているアフリカ。人間を動物へと変えてしまう極限状態の中で、必然的に生み出された一人の男の苦悩と、事態を変えられない無力に対するジャーナリストの嘆き。子供兵に殺されていく、大人たちの悲哀。
 ストーリーが三人を交差しながら、困難な問題をありありと描写することに成功している。血塗られたダイヤの問題は特に目あたらしくもない。しかしそれを物語の感動に引き付けて上手く描けたというのは、やはり意義が大きいと思われる。
 もっと多くの人に見てもらい、考えてもらいたい。

ぐし について

スウェーデンのウプサラ大学大学院政治行政学修士取得、欧州議会漁業委員会で研修生として勤務後(-2013年3月)、ブリュッセルでEU政策や市場動向などを調査の仕事に従事。2014年11月から慶應大学のEUSI研究員。千葉市まちづくり未来研究員(自転車政策)。NPO Rights副代表理事として若者政策(主に若者参画)の提言や分析を行う。連絡先:gushiken17@hotmail.com
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