『山の手線一周ピクニック』

のピクニック」という小説がある。
80キロの道のりを、皆で一緒に、ただひたすら歩くというイベント。
キャッチコピーは、『歩くだけ、なのに、楽しい』
歩くだけ、なのに、楽しい。
歩くだけなのに――。
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命名 「山の手線沿線一周ピクニック」
12月1日の午後21時、僕らは3人は、田町駅を出発した。

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離れ行く東京タワーにカメラを向けるが、上手く撮れなかった。
もうここは、夜の街。ネオンが光り輝いているのだ。
「つぎは~品川~品川~~♪」
ハイテンションでレッツスタート♪ シバウラアイランドを横目に、行進のごとく、どんどん進む。
…気がつくと、マンションに囲まれ、行き止まり。「早すぎだろ!」と思いながら頭をひねる3人。
おそらく調子に乗って裏道に入ったのが間違いだったのだ。
右往左往していると細道に出て、公園に入った。
線路の向こうに品川プリンスが見える。ここからでは品川駅は行けそうになかった。
陸橋かトンネルであちら側に出なければならない。
すると、下に小さいトンネルを発見。 よっしゃー声を出し、ダッシュで近づくとビックリ仰天。
「ひっ、低い!!」

170センチあれば、通れないトンネルだった。車が頭ぎりぎりの低さで走りぬける。
「ここに閉じ込められたら発狂するぞ」と、Gは膝を曲げながら言った。
「どおおおぉぉぉぉぉぉん!!!」
突然、けたたましい轟音と振動が我ら三人を襲った。
頭を天井にこすり付けて歩いていた僕は、一瞬、何が起こったかわからなかった。
なんだと思ったら、すぐ上を電車が通っていたのだ……。
予想以上に時間を費やしながらも、9時50分に『品川駅』に到着した。

「よっしゃー、これで28分の1が終わったぜ、ははは」
山手線を1駅歩くには、長く見積もって30分掛かったとしよう。つまり28駅で合計14時間だ。
「これは遅すぎる!!」と、3人は冷静に考え、次の目的地へ急いだ。
品川=大崎間はかなりの強敵だった。
品川女子高を通り、真っ暗な工業地帯を進むと、高級マンションが立ち並ぶ。
「行けるぞ」と思って突っ込むと、行き止まりだ。そして、また戻る。
そんなこんなで、三十分以上掛かって『大崎駅』に到着。

大崎は、都心のベッドタウン。ダイナシティーというだけあって、マンションが続々と建設されている。
しかも、マンションから駅まで直線でいけるように高架までつけて。
GとFは、疲れを打破するために○○しりとりをし始めた。
早くも疲れが見え隠れする。
クネクネした道を歩いていると、五反田的な卑猥な光が覗けてくる。
駅のロータリーも前に見えた。横には、先週、三田祭の打ち上げに行った『DOMADOMA』。
『五反田駅』、11時、到着――。
ここいらで景気付けの一杯をやることになった。 チューハイとサラダポテトを購入し、乾杯。
「美味い!! でも、寒い!!」
ズボンはジャージ2枚、上着は5枚、靴下は二枚履き。服装は完全装備だったのに。
しかし、酒の力を侮っていはいけない。ロシア人は、ウォッカで寒さに耐えているのだ。
だんだん体感温度がぼやけ始め、疲れもぶっ飛び始めた。
ここからは、1本道、ひたすら突き進もう。

『目黒駅』をぱぱっと通過し、一気に『ガーデン恵比寿』に到着。
「ガーン!!!」 Oが言った。
華やかなイルミネーションを期待していたが、真っ暗だったのだ……。
そして午前0時、渋谷のハチ公前にやってきた。
田町を出発すること、『渋谷駅』まで、三時間が経過。
ここで、Iが合流。ゲンナリした表情の3人と対照的に笑顔。一蘭でラーメンを食べて休憩。
だが古参の3人は、お腹を押さえながら「吐きそう」を連発……。
タワーレコードを通り、公園を抜けてあっという間に『原宿駅』へ。
竹下通りの横を過ぎて小道へ入った。

おっ、可愛らしい看板を発見した。とりあえず激写。
(…何の宣伝をしているんだこの写真は)。
浪人生の聖地=『代々木駅』を通過し、休むことなく新宿へ向かう。
午前1時45分、僕たちは、眠らない街、『新宿駅』にやってきた。
西口を大きく迂回し、高速バス停留所のハルク前を通過。
ここらで酒でも飲もうかと思ったが、池袋まで頑張ることにした。
調子良く進んでいった。前に駅が見えた。
…だがコリアンタウン『新大久保駅』だと思ったら、総武線の大久保駅だった。「ちくしょー」と一同。
そんなハプニングをやり過ごし、早稲田の聖地=『高田馬場駅』に到着。
 
『さかえ通り』を通過し、富士○○大学の横を通り、目指すは目白だ。
しかし、ここでもまた迷った。山手線だと思っていたら、西武池袋線だったのだ。
「くっそーまたか!!」 三人は頭をもたげながら、来た道を戻っていった。
 すると、「あれ、この道どこかで見たことがある――」
僕はその既視感を手繰り寄せながら、何かを思い出し始めた。
「去年の夏、『椿山荘』でのパーティーの帰り道。皆で目白から馬場まで歩いたじゃないか!!」。
 そうだ、ここの曲がり角で、新聞会の合宿に行くか行かないかについて議論していた。このガードレールで、あいつがバイトの女の子の話をしていた――。
「うわぁ懐かしい!!」、去年の映像がどんどん鮮明に蘇ってくる。「このあと馬場のBLDYに行ってパフェを食べたんだよなぁ」などと4人で話していると『目白駅』が近づいてきた。
僕は思った。「思い出とそれを共有できる友達がいれば、人生は割と楽しいんじゃないか」と。
そして、この『夜のピクニック』の楽しさがボンヤリと分かってきた―。
時刻は午前3時08分。田町を出発すること、実に6時間。ついに我々は池袋にたどり着いた。
『池袋駅』の看板を撮っていたら、ホームレスに「何撮ってんだー」と絡まれたので、さっそうと退散。
ひとまず、マクドナルドで休憩することにした。注文して地下に下りると、席はほとんど埋まっていた。カードゲームに耽る大学生4人組(一人女の子)。終電を逃した飲み会後の大学生4人組。ホストっぽい人たち2人。あとホームレスっぽい人たち数人。などなど。
マックを出て再び歩き始めると、午前3時にも関わらず、ものすごい人だかりを発見。
「え、何これ??」と一同。

 行列の正体は、翌日発売の任天堂WIIを買うために集ったゲーマー達だった。「へぇー、ゲームってまだそんな人気あったのか。そんなパワーあるのならもっと面白いことに力を注げばいいのに。みんな暇人だなぁ!!」と辛口のコメントを吐くOであったが、よく考えたら山手線を歩いている俺たちの方がよっぽど暇人であった……。
大きいステーションは、線路が多い。どれが山手線かわからなくなる。
この池袋もまさにそうだった。途中コンビニで場所を確認、次の大塚、巣鴨を目指し、再出発!!!
「夜明けまでには上野に着くぞ」
そう決意して怒涛のごとく進む。ここからは早かった。
 
『大塚駅』から徒歩3分のところにある『てるちっち2』(携帯が安い!!)
『巣鴨駅』についた。

(このあとすぐ、始発の電車が走り始めた)
1駅あたり15分のハイペースでどんどん進む。 巣鴨=『駒込駅』間は一瞬で撃破!!
駒込=『田端駅』間の心臓破りの坂をクリアし、次のターゲットは、西日暮里だった。
しかし、我々の前に大きな障害が立ちふさがった。

  先の見えない坂――『行ってみたら行き止まり』というシチュエーションを何度も繰り返してきた我々にとって、足がガクガクに震え、膝が軋む我々にとっては、ある意味、地獄への入り口に思えた。
「行くべきか行かざるべきか、それが問題だ――」
真っ暗闇の中、坂を駆け上がり、右へと進むと、前のほうに駅の明かりを発見した。
「あっ、『西日暮里駅だ!!」 我々は助かったのだった。
 日暮里駅への途中の坂で、4人の住民の人に会った。彼らは、地域のゴミ拾いをしているようだった。そのうちの1人に目を向けると、小さい女の子だった。時計の針は、午前5時20分。こんな早くからゴミ拾いをしているのか。池袋では、何百人の大人がゲームのために並んでいたというのに……我々は意味もなく歩いているというのに……。
少し罪悪感を感じながら進むと、その女の子が通っているであろう、小学校を発見した。
「なるほど、いい子が育つわけだ」。校門を目の前にして僕は思った。

 あいさつし隊――「オレ、今日あいさつし隊なんだぜ。いいだろぉー」とか言っている子供を想像すると、嬉しくなるのは、僕だけだろうか。…挨拶は大事だね。これからも元気に挨拶してください――。
そうこうしているうちに、『日暮里駅』に無事到着。
ホテルサニー、サニーホールという建物郡を抜ければ、もうあとは『鶯谷駅』だった。

細い路地や裏道に入り込むと、そこは渋谷顔負けの(?)ホテル街。

(…粗品あるそうです)
ホテル街を抜けると、高架橋を駆け上った。下は上野駅に通じる線路―。
そこを歩いていたとき、ついに日が明けてきた。

時刻はちょうど午前6時20分、我ら4人は、『上野駅』に到着した。
「やったー」と喜ぶ四人。
だが、我々の体はもう限界に近づいていた。
朝食・休憩に入った『松屋』では、横を見ると、三人とも豚丼を食べながら寝るという始末―。
そう、ここからが本当の意味で、精神力の勝負となった。
『御徒町駅』は、500mも離れていないが、時間がかかる。
フラフラになりながらも『秋葉駅』、『神田駅』を通過。

(神田駅前に立っている、銅像)
膝が曲げらず、ズキズキ痛む。それでも、肩を組みながら前に進む――。
午前8時05分、我らが『東京駅』に到着した。

4人は、一言もを発しなくなっていた。下を向いて、半分意識を失いながら歩き続けていた。
通勤途中のサラリーマンや学生が歩いている中、明らかに異質な4人の集団。
外はもう明るい。雲ひとつない快晴で、太陽が照りつける。
東京から、『有楽町駅』、新橋は、線路に沿って1本道。だが予想に反して時間が掛かった。
ここは京浜東北線も通っているように、1駅1駅の間隔が長いのだ。
『新橋駅』のSL広場で、写真を撮り、また1本道を突き進む。
そして午前9時15分、『浜松町駅』に到着。
この時点で昨日、田町を出発してから、12時間が経過していた。
もうゴールは目の前――第一京浜に沿ってひたすら歩く歩く歩く。
線路が大きく曲がるに沿って、道を右折。
そうすれば、もうあとは真っ直ぐ直線。
スターバックスが見えてきた。そして、みずほ銀行がもう目の前だ。
「やったー」
ついに、『田町駅』に帰ってきた。
時刻は午前9時40分、昨夜ここを出発してから、総時間は12時間40分。
僕たちは、山手線を制覇したのだ!!

(参考として、12月号http://www.jukushin.com/article.cgi?k-20061220)
  (☆もしチャレンジしたいという人がいれば、夜の18時には出発することをお勧めします。そうすれば、途中の渋谷や新宿で夕食を食べたりお酒を飲んだり、ゆっくりできます。しかも暗いうちに到着できます。ぜひ試してみてみるべし☆)

ぐし について

スウェーデンのウプサラ大学大学院政治行政学修士取得、欧州議会漁業委員会で研修生として勤務後(-2013年3月)、ブリュッセルでEU政策や市場動向などを調査の仕事に従事。2014年11月から慶應大学のEUSI研究員。千葉市まちづくり未来研究員(自転車政策)。NPO Rights副代表理事として若者政策(主に若者参画)の提言や分析を行う。連絡先:gushiken17@hotmail.com
カテゴリー: 体験ツアー報告 パーマリンク

『山の手線一周ピクニック』 への8件のフィードバック

  1. hama より:

    同じ記事で2つのバージョンを読めて面白かったです。
    ぜひ、GとIのバージョンも読みたいです。

  2. T山 より:

    こういう馬鹿なの、大好き。

  3. えふたか より:

    いやぁ、あれは熱かったなww
    ちなみに僕は前四日間で同じ距離以上を既に歩いてたんだぜぃ。
    足、ガクガクでしたorz
    次は雑誌で、元町・中華街~渋谷制覇だ!

  4. ぐしけん より:

    >hamaさん
    コメントありがとうございます。浜さん、電車好きでしたね笑。記事はもうたぶんこれで終わりですが、次は東横線に挑戦しようかと思っています(^^) 期待していてください。
    >T山さん
    こういうの、いいですよね。
    また、マラソンの大会、走ってください笑。
    >F
    オレも万葉旅行行きてぇーな。
    法学部も、どっか歩けばいいのにな、ほんと。
    東横線は余裕だな、日本酒飲みながら行こうぜ^^

  5. G より:

    やべー!面白いわ。
    そして、変な話あのとき傷めた足をかばってずっと歩いてたから、未だに若干右足に違和感があるのだよw
    次もまたおばかなことやろうぜ。

  6. おぐっし より:

    >G
    次はシップを張って、早めに出発しようぜ(笑)

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    チャーリーです。
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